2017年10月22日

お知らせ


父 鵜野日出男は、去る10月6日、83歳にて急逝致しました。
父が生前中賜りましたブログの読者の皆様のご厚情に対し深謝いたしますとともに、
謹んでご通知申し上げます。

亡くなる2日前までは何も変わりなく自宅で普通に食事もしていただけに、
家族にとっても青天の霹靂でした。

父は紺屋の白袴というのか、自分のことはともかく高気密・高断熱住宅の発展と
普及に心血を注いでおりました。

ブログの読者のユーザーの皆様が、住みよい高気密・高断熱住宅に巡り会い、
そしてビルダーの皆様が妥協しない住宅を供給することこそが父の願いと
思っております。

本ブログの復刊はかないませんでしたが、ブログを支えていただいた皆様のお力で
高気密・高断熱住宅がより浸透し、全国に普及することを心より祈っております。

鵜野太河志 拝


posted by uno2016 at 00:46| Comment(10) | | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

長年のご支援を感謝。私のホームページは本日をもって休刊へ

長らく、私のホームページに付合って頂いた各氏に対して、心からの感謝を
申上げます。 しかし、残念ながら私のホームページは本日を持って休刊と
させていただきます。

実は、昨年6月までの私は、健康そのものでした。「足から老いる」という
ことを知っていたので、毎日1万歩の早歩きを欠かしたことはありません。
時には2万歩を歩いてもヘッチャラ。 このため90歳どころか100歳まで元気に
生きてゆけるものと過信していたのは事実。

ところが昨年7月に、朝起きたら身体が硬直化して、整形外科医に診てもらっ
たら「これはひどい。即日外出禁止令」。 気になったので神経外科医にも診
てもらったら、「脳や神経系統はいたって安全。 全然 心配しなくてもよい」
との判断。おかげで「ホームページ」も休むことなく 継続することができま
した。これひとえに皆様方のご支援の賜物と感謝致しております。

しかし、正直言いまして、このところ毎週出筆することが 次第に苦痛に
なってきました。
このため常連の4氏に集まって頂き、いろいろ相談させて頂きました。
高齢になり、かつてのように現場指導もなく、書くことも 通り一変な
ものにならざるを得なかったことには、深く反省致しております。しかし、
この年寄の身としてはやむを得なかった結果だとも言えます。
そして、皆さんに相談した結果 「当分の間は休刊もやむを得ないのでは
なかろうか。とりあえず1年間ぐらい休刊にして、元気になったなら再び
健筆を見せて下さい」と言われました。

私としては、1度休刊にすると、再度立上げるには大変な苦労が必要なことは
十分に分かっているつもり‥‥。しかし 仲間の暖かい気持ちを受入れるとを
決断いたしました。その上での「休刊」の報告です。
どうか 私の我儘を笑って許して頂けるよう、寛大なお気持ちお願い申上げま
す。

鵜野日出男拝
posted by uno2016 at 23:39| Comment(0) | | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

三神英彦原案・澤田石誠著「ぼく、学級会の議長になった」 (星雲社 1400円+税)

ぼく、学級会の議長になった.jpg

この本の副題は 「小中学生から始めるファシリテーション入門」
最近、やたらにヨコ文字を使った著書が多い。
簡単なヨコ文字なら なんとか理解が可能だが、「ファシリテーション入門」 と言われて、
その意味を完全に理解出来る人は、いったい 何人いるだろうか?  それとも私の語学力が
低すぎて話にならない、と言うのなら黙って引下がるしかないのだが‥‥。
ファシリテーションとは 英語のFacilitationのこと。 「会議、ミーティング等の場で
、発言や参加をうながしたり、話の流れを整理したり、参加者の認識を一致させたり、
合意の形成や相互理解をサポートすることによって、 組織や参加者の活性化・協業を
促進させるべく リーダーが持つべき貴重な能力の一つ」 と、ウィキペディアには書いてある。
詳細なことは、各自で調べていただきたい。

小学6年生のぼく。 学校への登校はやたらに早い。 なんと 毎朝7時半には教室へ着いて
いるという。 皆には 「両親が共稼ぎなので、朝が早いせいだ」と言ってあるが、事実は
違う。 たしかに共稼ぎであることは間違いない。 しかし、両親と一緒に家を出ると教室へ
着くのは8時過ぎになる。 だが1時間半前に教室へ着くのは、誰もいない教室で「今日は
どんなことか起るか」 を想像するのが秘やかな毎朝の楽しみだから‥‥。
 
こんなことを言っても誰も信用はしてくれない。 したがって、両親にも内証の話。

そのぼくが、「そろそろ8時か‥‥。 次に来るのは ぼくと同じ両親が共働きの航君か、
それともクラス一の慎重派で早く着いていないと気が済まないさくらか? あるいは
最近一人でこっそり鉄棒の特訓を始めた蓮君か?
足早の靴の音が廊下から聞こえと思ったら、ガラガラと教室のドアを開いたのは担任の
裕子先生だった。 予想もしない展開にびっくりして、「お、おはようございます」と
ぼくはあわてて挨拶をした。
裕子先生は、ぼくが2年生の時に初めてうちの学校へやってきたから、今年で5年目になる
若い先生。 やさしく思いやりがあって、生徒からの人気も高い。
「おはよう、樹 (いっき) 君。 いつも早いわね」
ん。 いつも?
先生は、ぼくがいつも7時半に登校することを知っているのだろうか? 

裕子先生は いつも授業が始まるベルが鳴ってから教室へ入ってくる。 今まで1度も 8時前の
早い時間に裕子先生が姿を現したことはなかった。たからビックリした。
「実は、今日の5時間目の学級会についてだけど、一つお願いがあるの」
「なんですか?」
「今日の学級会は学芸会の発表について話し合おうと思っているけど、そのための専用の
議長団をつくることにしたの。 そこで、樹君に議長をやってもらいたいのよ」
「え!」
耳を疑った。 議長と言うのは、学級会の司会役だ。 ただでさえ人前に出るのが不得意で、
普段の授業だって手を挙げることに恐怖を感じているのに、議長なんて務まるはずがない。
いきなり、何を言い出すんだ、この先生は?
「ぼくが?」
「そう、樹君が」
「‥‥‥」
胸に、ドス黒い緊張感が走った。

裕子先生の目はぼくをじっと見つめている。 裕子先生はとてもおだやかで やさしい表情を
しているが、その目からは強い意志がビンビン伝わってきた。
「大丈夫、樹君ならできるよ!」
「でも、ぼく、ぎ、議長なんてゃったこともないし、やりたいと思ったこともない!」
「誰だって、初めての時はやったことがないものよ」
「そりゃそうですが‥‥」
「そんなに心配する必要はないわよ」
「はあ‥‥」
「やってくれるわね」
「‥‥‥‥」
断りたくて、心臓がバクバクしている。 しかし、本当に断れるのか‥‥。
結局は、裕子先生に押切られてしまった。 何と言うことだ。
えらいことになってしまった‥‥。

この小説は、たったの100頁。
それでも、プロローグやエピローグ以外にも5章から成っている。 大変短い小説。
それでも、最近読んだ小説の中で一番感動させられた。
第2部には、著者が言うところの「小中学生から始めるファシリテーションの入門」 や
第3部には 「お勧め図書紹介コーナー」 が設けられているが、これはどこまでも
「付け足し」 に過ぎないようだ。
posted by uno2016 at 23:58| Comment(0) | 書評(その他) | 更新情報をチェックする