2016年04月25日

激しい余震で、建築基準法の再改正が絶対不可欠の条件に !



ご案内のとおり、大きな地震が起こる度に建築基準法が改正されてきた。
何と言っても問題になったのは、今から35年前の1981年 (昭和56年) の建築基準法の大改正。
それまでは、震度5程度の揺れに対応するもので建築確認が降りていた。 しかし、1981年の大改正によって、震度は6弱以上に大改正された。
それで、建築基準法は運用されてきた。 
しかし21年前の1995年 (平成7年) にマグネチュード7.2、震度7の 「阪神・淡路大震災」が発生。 その年に 建築基準法が改正され、接合金物や耐震診断の義務化などがなされている。
以来、震度は6弱ではなく、6強から7に変わってきている。
そして、12年前の2004年に中越地震が起こり、川口町で震度7を記録した。
そして、2011年にはマグネチュード9.0という津波を伴った巨大な地震が発生し、宮城・栗原市では震度7を記録。
そして、今年に入って今月の14日には、熊本・益城町で震度7の地震を記録。 震度6強の余震があって、16日にはマグネチュード7.3を記録し、熊本・益城町と西原村で再度、震度7を記録した。 震度7を2回も記録した益城町は、過去に例のない特例。

ともかく過去21年間の間に、日本では5ヶ所において、震度7を記録。 しかも、4ヶ所はいづれも直下型の地震。 大正の関東大震災クラスも怖いが、今日的には直下型の地震こそ 最も警戒すべき対象になっている。
今までは、震度6強とか7というのは珍しい揺れであった。 10数年に1度か2度程度しか遭遇しない地震であった。 ところが最近の21年間に、5度も頻発するほどに‥‥。
震度6強から7の地震が生じても、建築物は潰れることがないように設計し、工事をすることこそが、地場ビルダーに課せられた最大の課題であると考えて対応してきた。 また、そのように指導もしてきた。

ところが、最初の震度7には耐えられても、頻繁に余震が続くと 建築物にガタがきて耐震性は次第に弱くなってくる。
最初の14日の震度7には耐えられたものが、2度目の 益城町の震度7には耐えられず、多くの家が倒壊して、大勢の住民が下敷きなってしまった。
しかも、地震発生から今日で11日目だというのに、いまだに震度3という余震が 日に何回となく続いている。
全く考えていなかったことが発生しており、建築基準法は大幅に変更を余儀なくされてきていると言ってもよい。


こんなに余震が続くと言うことは、聞いたことがない。
数多くいる大学の地震工学の先生方の中で、1人も 「余震が心配だ」 と 警報を鳴らしてくれてはいなかった。
このため、大勢の人が余震が続くわが家に帰り、まさか後から 「本震」 が来るなどとは考えていなかったので、無残な最期。
そして、本来は震度7にもビクともしない筈の役所や学校建築物が 余震で危険物になり、住民は再度の避難を余儀なくされている。 つまり 余震を考えていなかった行政側が、すべての面で手遅れという事態に立たされている。
今日の朝刊では、小学生を中心に300人余が、熊本県外へ脱出するという 珍しい事態に追込まれているだけでなく、全国の公営住宅が受け皿として名乗りを上げている。

それにしても、国交省の計画では、2020年までには5250万戸のうち耐震性のある住宅が83%となり、耐震改築が12%に進み、全戸のうち耐震のある住宅は95%を占め、耐震性の無い住宅は5%を切るという計画を発表している。
そして、平成27年度の途中経過では、全戸5200万戸のうち耐震改修を含めて耐震性ありは4385万戸程度を占め、耐震性なしの住宅は16%の815万戸程度に激減しているはず‥‥。
ところが、熊本の倒壊した被災地の写真を見ると、圧倒的に瓦屋根のものが多い。 故 杉山英男先生は、「重い瓦屋根を一掃しない限り、日本から倒壊住宅がなくなる時はこない」 と断言しておられた。 その先生の言葉を常にタクシーの中などで聞いていた私は、熊本城の瓦の剥離や震度7で倒壊した住宅の屋根に瓦を使っていたことが、今でも信じられない。
つまり、熊本などにおいては、耐震改修と言うのはスジカイの補給程度にとどまり、屋根瓦の改修には及んでいなかったのだろう。

と言うことになると、今度の建築基準法の改正は、単に余震のことを付け加えるだけでなく、屋根瓦のことにまで言及する必要がある。
そして、より安全を求める消費者には、「震度7であっても 倒壊を避けられるだけでなく、気密性も担保できる条項を加えるべき」 だと思う。
そして、熊本地震を精査して、住宅金融機構の在来木軸工法の標準仕様書に記載されているあいまいな表現を抹消すべき。
そして、熊本地震を精査していないので明言は出来ないが、「スジカイによる耐震性は一掃して、すべて面材によって耐震性を評価するように 木造住宅の基準を根本的に改める必要性がある」 というのが私の主張。

私のような素人がいくら叫んでも、馬の耳に念仏。
しかし、故杉山英男先生の発言であれば、誰一人として聞き流すわけにはゆくまい。
私は杉山英男先生がご存命で、熊本地震を自ら視察された場合には、上のような提案がなされるのではないかと考えている。

素人から見ても、現行の建築基準法はおかしい。
「どうせ変える以上は、先進的な消費者の意見を踏まえたものに変えるべきではないか」 と私は考えるのだが、現実から遊離した考えにすぎないだろうか‥‥。




posted by uno2016 at 11:05| Comment(2) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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