2016年06月30日

2016年上半期  読んで面白かった本のベスト10 (上)



恒例の、独善的面白本のベスト10。
毎回同じことを書くが、日に200冊も出版される本を、一人で選択しょうとすることが、そもそもムリな相談。 自分で書店を開いておれば、片っぱしから読んで選択も出来るだろうが、私の趣向が最初から偏っていることは認めざるを得ない。
今期は、乱読気味だった昨年下期よりかなり減って385冊。 2.1冊/日というペース。 

その中で、レベルに達していると私が感じた本だけを紹介しているが、これがなんと130冊と約34%にもなった。 
中で、ベスト10候補に上げられるものには■印をつけているが、これだけでも110と前回よりも5点も増加‥‥。 よく言えば、それだけ読書内容が充実したということだが、正直言って判断が甘くなってきている証拠とも言える。 

△印は、1年以上に前に出版されたもの。 ただし、文庫本では今年の出版であっても、単行本は3年以上も前に出版されたものが多いので、文庫と断ってある本には要注意。

上期の中では、何と言っても圧倒したのが「経営・経済・政治」の32冊と大活躍。
前期はたしかに1冊だけ小説に敗れて2位となったが、さすがに吾輩の好みを反映して1位に返り咲いた。 とくに、経済モノに読むべき本が多かったので、ダントツの首位。 この位置はそれほど変わらないはず。
 
次いで多かったのは、「環境・農業・食品・医療」 の23冊。 経済問題と言うのは、具体的に食料問題や医療問題を指すようになってきている。 つまり、単独で経済問題が浮かび上がってくるということが少なくなってきたということ。 これからも、ますますウェィトを高めてゆくものと考えられる。 

そして、今回特筆すべきことは、いつもビリに安住していた 「住宅・建築」 が、なんと小説と並んで3位に浮上したこと。 とくに今回は 「建築士」 に焦点を当てた本が 多く出版されたし、「高気密・高断熱」 にポィントを当てた 「健康住宅」 も花盛り。 しかし それは大変喜ぶべきことだと思うが、反面 除加湿を全く無視した住宅の横行を招いていることについては、文句が言いたくなってくる。
「壁内通気」 だけで、除加湿が完全に行えるというのは、世界に例を見ない。 日本の技術がそこまで進んでいるのなら、堂々と公開すべきではなかろうか。 どうも、インチキ臭い匂いがしてならない。

そして、前回のトップであった 「小説」 が低迷。 たしかに、今期は面白い小説に巡りあうことが出来なかった。 これは私の怠慢ということではなく、本当に面白くてワクワクする作品が少なかったように思う。 決して小説を嫌っているのではない。 面白い小説が面白くないと、本数が稼げない。 今回読書冊数が減ったのは、面白い小説が少なかったことに原因があったという気がする。

それと、ノンフェクション物も不作のような気がした。 私はどちらかというとノンフェクション・ファン。 「科学・技術・教育」 ものにも、高い関心を寄せている。 しかし、最近のITものには正直なところ難しすぎて手こずっている。 なんとかして、欠陥を克服むしたいと願っているが、脳の回転が鈍くなって来たように感じてならない。
やはり、年のせいなのだろうか?


【環境・農業・食品・医療】 23冊
■介護で会社を辞める前に読む本          山下哲司   ダイヤモンド 
■地方創生 実現ハンドブック           ベンチャーサポート他  日経BP
■食物アレルギー教室                   柴田瑠美子   講談社
・田んぼが電池になる!                 橋本和仁   ウェッジ
■GDP4%の農業が自動車産業を超える       窪田新之助   講談α新書
■激安食品が日本を滅ぼす!             河岸宏和   辰巳出版
・医療政策を問いなおす                 島崎謙治   ちくま新書
■農福連携の「里マチ」づくり           濱田健司   鹿島出版
■驚異の《スーパー微生物》農法         上部一馬   ヒカルランド
・南海トラフ地震                      山岡耕春   岩波新書
■コンビニ難民                       竹本遼太   中公新書
■太陽電池入門                       市村正也   オーム社
■BE KOBE BE KOBEプロジェクト編  ポプラ社
・東日本大震災 直後の被災地で              高橋文雄   近代消防社
■希望のイチゴ 最難関の無農薬・無肥料に挑む   田中裕司   扶桑社
■震災と地域再生                     西城戸誠他   法大出版
■スマート防災                      山村武彦   ぎょうせい
■売らずに売る技術                    小山田裕哉   集英社
■成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?    上坂 徹   あさ出版
・東日本大震災                      高橋文雄   近代消防社
■「民泊ビジネス」の教科書               川畑重盛   KADOKAWA
■生物界をつくった微生物              ニコラス・マネー   築地書店
■こわい病気にかからない生活習慣          福沢嘉孝   KADOKAWA


【科学・技術・教育】 12冊
■「ネジザウルス」の逆襲                 高崎充弘  日本実業出版
■仕事が出来る人の「デスクトップ」は美しい    マネジメント普及協   すばる舎
■孤高 国語学者大野晋の生涯               川村二郎   集英社文庫
■京を発掘! 出土品から見た歴史       京都埋蔵文化財研  京都新聞センター
■最高に楽しい文房具の歴史雑学       ジェームズ・ウォード  エクスナレッジ
■ニュートリノで探る宇宙と素粒子            梶田隆章   小学館
・中学の知識でわかるアインシュタインの理論    大方 哲   楓書房
■面白くて眠れなくなる遺伝子              竹内馨、丸山篤史  PHP研
■ロボティクス最前線                日経産業新聞編集部  日経出版
■ハイドロジェン・セラピイ(水素水を科学する)   藤本幸弘   東宣出版
■もっと知りたいPM2.5の科学              畠山史郎、野口恒  日刊工業
■すごい希少金属                     斉藤勝祐  日本実業出版


【経済・経営・政治】 32冊
■新幹線を走らせた男 十河元国鉄総裁物語       高橋団吉   deco
■2020年の「勝ち組」自動車メーカー            中西孝樹   日経出版
■インターネット ガバナンス           ローラ・デナルディス  河出書房
■日本一やさしい「決算書」の読み方            柴山政行  プレジデント
■日本の少子化 百年の迷走                 河合雅司   新潮選書
■気仙沼ニッティング物語                   御手洗瑞子  新潮社
■総合商社の動向とからくり             丸紅経済研編  秀和レジデンス
■東京電力研究                        斉藤貴男  角川文庫
・ベーシック・インカムのある暮らし           古山明男  ライフサポート
■バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線  スティーヴ・レヴイン   日経BP
■フィナンシャル・タイムズの実力              小林恭子   洋泉社
■ユーロ危機とギリシャの反乱                田中素香   岩波新書
■ものづくりの反撃          中沢孝夫、藤本隆宏、新宅純二郎  ちくま新書
■TPPがビジネスを、暮らしをこう変える          日経新聞編集部  日経出版
■進め!! 東大ブラック企業探偵団               大熊将八   講談社
■オサムイズム 小さな巨人スズキの経営           中西孝樹   日経出版
■移民からみるアメリカ外交史           ダナ・R・ガバッチア   白水社
■安倍官邸 vs 習近平                  読売新聞政治部   新潮社
■小倉昌男のマーケテング力                 中田信哉   白桃書房
■レクサス トヨタは世界的ブランドを打ち出せる   井元康一郎   プレジデント
■センサーネット構想                     三品和広  東洋経済
■日本病                       金子勝、児玉龍彦  岩波新書
■経営がよく分かる本         土方千代子、西川昌祐、小川亮  秀和システム
■失敗すれば即終了! 日本の若者がとるべき生存戦略    Rootport   晶文社
■期限切れおにぎり                     鈴木哲夫  近代消防 
■よみがえる松岡洋右                    福井雄三   PHP研
■ガルブレイス                        伊東光春  岩波新書
■お金の流れで読む日本の歴史              大村大次郎   KADOKAWA
・トヨタ最強の時間術                     桑原晃弥   PHP研
■△悲劇の発動機「誉」                   前間孝則  草思社文庫
■△イノベーションの仕事術               竹中平蔵   幻冬舎
■△「シェル革命」の夢と現実              柴田明夫   PHP研


【小説】 21冊
■団塊の秋                           堺屋太一  詳伝社
■三匹のかいじゅう                    椎名 誠   集英社文庫
■シャッター通りに陽が昇る               広谷鏡子   集英社文庫
■約束の時                        白崎博央  ダイヤモンド
■砂の王宮                          楡 周平   集情社
■情け深くあれ                       岩井三四三  文芸春秋
■ウェブ小説の衝撃                    飯田一史   筑摩書房
・わたしの宝石                       朱川湊人   文芸春秋
△売国                            真山 仁  文芸春秋
△ナナフシ                         幸田真音   文芸春秋
■△ランウェイ(上)                    幸田真音   角川文庫
■△ランウェイ(下)                    幸田真音   角川文庫
■△スケープゴート                    幸田真音   中央公論
■△財務省の階段                      幸田真音   集英文庫
■△アファンの森の物語                CW・二コル   アートディズ
■△脱 限界集落株式会社                黒野伸一   小学館
■△台湾ニワトリ島乱入                 椎名 誠   角川文庫
■△銀翼のイカロス                   池井戸潤   ダイヤモンド
■△美食探偵                        火坂雅志   角川文庫
■△虚空の星(上)                      楡 周平   新潮社
■△虚空の星(下)                      楡 周平   新潮社    

【ノンフェクション・旅行】 20冊
・震災復興に挑むキリンの現場力      ソーシャルイノベーション研   日経BP
■石ってふしぎ                        市川礼子  柏書房
■飛ぶ!撮る! ドローンの購入と操縦         高橋亨監修   技術評論
■1935年のサムライ野球団                  佐山和夫   ADOKAWA
■脱中国で繁栄する日本 国を滅ぼす朱子学の猛毒    井沢元彦   徳間書店
■解決! 空き家問題                    中川寛子  ちくま新書
■寝ころび読書の旅に出た                  椎名 誠  ちくま文庫
■雨の匂いのする夜に                     椎名 誠  朝日出版
■山村留学                           青木孝安  農文協
■身近な鳥の生活図鑑                    三上 修  ちくま新書
■旧暦読本                           岡田芳朗  創元社
■蔵を継ぐ                           山内聖子  双葉社
■北欧の挿絵とおとぎ話の世界         海野弘解説  バイインターナショナル
■チャンスの波に乗りなさい                  澤満寿子  徳間書店
■日本の仏像                         薬師丸君子  西東社
■ヨーロッパから民主主義が消える           川口マーン恵美   PHP新書
■無国籍の日本人                      井上まさえ   集英社
■フィールドの天気がわかる                 武田康男   地球丸
■△叱られる力                       阿川佐和子  文春新書
■△本の運命                        井上ひさし  文芸春秋


【住宅・建築】 21冊
・首都直下型地震                     平田 直   岩波新書
・百年健康住宅                      松本 祐   エール出版
・バリアフリー住宅読本               バリアフリー研他   三和書籍
・東京デザイン散歩マップ                松田 力  エクスナレッジ
・日本建築入門                      五十嵐太郎  ちくま新書
■人が集まる建築                       仙田 満  現代新書
■夢を叶える家づくり                     高垣吾朗  青春出版
■入居者が希望する驚異の0円賃貸システム      池田建学   幻冬舎   
■建築家ら都市を、都市から建築を考える       槇 文彦他   岩波書店
■非常識な建築業界                     森山高至   光文新書
■土と水の探究者たち                   瀬古一郎  ダイヤモンド
■家族の健康を守る家                    深谷賢司   PHP研
■これからの建築士             倉方俊輔、吉良森子、中村勉  学芸出版
■ツリーハウスを作りたい              ツリーハウス倶楽部  二見書房
■知的富裕層が選ぶ先進的健康住宅           
■なぜぼくが新国立競技場をつくるのか       隈 研吾   日経BP社
■一生健康に暮らせる住まいづくり           渡邊和司   幻冬舎 
■建築士音無薫子の設計ノート               逢上央士   宝島文庫 
△住宅巡礼                          中村好文   新潮社
■△私は悪い建築業者                 山川行夫   データーハウス
■△世界の夢の集合住宅            及川さえ子  バイインターナショナル




posted by uno2016 at 07:43| Comment(0) | 半年間の面白本ベスト10 | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

再び一条の i-smartⅡに対する地場ビルダーの対抗策を考える?



今朝の新聞やテレビは、「イギリスのEUからの離脱」 問題で、テンヤワンヤ。
当然、住宅業界にも深刻な影響が出てくると考える。
しかし、この問題は後ほど取上げることにして、今週は前週に続いて一条工務店の i-smart Ⅱ を取上げたい。
前回触れたように、「一条工務店がi-smartのシリーズもので、i-smartⅡで、Q値がなんと0.51W/㎡・kという商品を開発し、販売を開始したという強烈パンチ。 これに対抗するには、地場ビルダーはどうあらねばならないか」 という大課題。

一条工務店という全国組織が、ツーバイフォーを使って0.7W/㎡・k以上というか、以下と言うかは分らないが、数値を堂々と発表することは、消費者にとって素晴らしいことだと考えて、私は大賛成派。 これによって、日本のQ値はヨーロッパ並みか、あるいは緯度を考えるとヨーロッパ以上と言えるようになった。 
ドイツの 「パッシブ・ハウス並の住宅が、緯度が低い日本でもドイツ並の価格で入手出来る」 と言うことだから、パッシブ・ハウス・ジャパンの森みわさんなどはビックリして、あわてて対策を考えているだろうと推測。

しかし、問題は2つある。
1つは、一条工務店の言う通りに、Q値が0.51W/㎡・kと言う高い性能値が、本当に必要か、という点。
もう1つは、価格が一体どれくらいかと言う点。
残念ながら一条工務店は、Q値が0.51W/㎡・kとなった計算例の詳細を示してくれていない。

以前の一条工務店のQ値の根拠は、50坪 (約165㎡) だった。 田舎だと50坪の住宅もあろうが、東京など大都市では35坪が精一杯。 私は40坪 (約132㎡) を基本に計算しているが、一条工務店が今回計算した住宅の大きさは 「45坪 (約150㎡) の東京の住宅」 と書いてある。
しかし、私が40坪 (約132㎡強) の住宅で計算したところでは、換気を別にして床・外壁・天井だけで何とQ値が0.52W/㎡・kになってしまった。
もちろん、一条工務店が指摘するように、外壁には140ミリの硬質ウレタンを充填し、その外側には50ミリの熱伝導率0.02W/㎡・kの硬質ウレタンの外断熱を用いた。
天井面は235ミリの硬質ウレタンを使用と言うので、210の天井根太に充填した。
困ったのは床と玄関の土間床。 当然206での硬質ウレタンでの充填断熱を考えるところだが、前の i-smart では、在来のプレハブの床をそのまま採用していた。 今回も、床に関しては在来の床パネル (3尺×3尺) を使っているのではないかと勘繰ってしまった。
そして、サッシやドアは、トリプルでLow-Eの、U値が0.8W/㎡・kを採用。 そしたら40坪の住宅で、換気抜きで0.52W/㎡・kとなってしまった。

一条工務店が表示している0.51Wという数値には、当然のことながらご自慢のロスガードという冬季熱回収率90%、夏季の湿度交換効率80%という熱交換も含まれていると思う。
ということは、私の計算と一条工務店の最大のQ値差は、150㎡と132㎡の差にあるのではないかということになる。
もしそうだとしたら、私は一条工務店が発表した0.51W/㎡・kというQ値は、素直に認めるべきだと考える。
しかし、私は一条工務店の全熱交に関しては、かなり疑り深い。

というのは、私が換気に関して指導を受けたのは、カナダやヨーロッパの諸先輩。
各国とも共通していたのは、「排気はトイレ、浴室、台所など空気が汚れているダーディゾーンから行わねばならない」 ということ。 したがって、「必ず臭いや細菌が移らない顕熱交を使用しなければならない」 というものであった。
ところが日本では、住宅の換気は殆ど行われておらず、もっぱら換気はビルなどで行われていたのみ。 このため、ナショナルとか三菱電機などが製作していた熱交換気機は、もっぱら全熱交のみという有様。
ただ、熱交で出遅れたダイキンだけが、カナダやヨーロッパの意向を取上げて作ってくれたが、量が出ないために、途中で製造中止に。
一条工務店は、最初はダイキンの全熱交を委託生産させて、「ロスガード90」 と言う名で使っていた。 私は一条工務店の了解を得て、このロスガード90を、セントラル空調機用に採用した。
というのは、日本ではカナダやヨーロッパの言うように、顕熱交を生産してくれるところがない。 このため、輸入品を使うしかなかったので小回りが利かない。 全熱交だと分かってはいたが、セントラルシステムに採用。
幸い臭いの移転などの問題が起らず済んだし、そのうち全熱交でありながら臭いや細菌が移転しない商品の開発も進められてきた。
しかし、浴室の排気に使うことには、ダイキンの担当者から厳しく制限されていた。
私の知っている初期のロスガード90を採用した一条工務店の住宅では、トイレ、浴室、台所などのダーディゾーンの空気は、そのまま外へ捨ていた。 したがって、初期のロスガード90を使っていた住宅では、熱回収率90%というのは、全くの嘘っぱち。 せいぜいよくても50~60%というところだったという意識が浸みこんでいる。

これは15年以上も前のことだから、現在では解決済みだと思う。
しかし、日本の空調・換気関係者からは、未だに納得できる説明を頂いていない。
一条工務店は、i-smartⅡ に採用しているロスガード90の、夏季の湿度回収率は80%と明示している。 その言葉を信じるには、もう少しデーターを公開して、納得できる説明が欲しい。
80%の除湿が可能ということは、デシカ機能が備わってきているということ。 だとしたら冬季の加湿機能ももっと謳うべき。
私は、Q値が0.7W/㎡・kの住宅には、床暖房が不要だと考えている。 
如何に一条工務店が床暖房が安いといっても、廊下や浴室、トイレを含めて設置する費用はバカにならない。 Q値が0.7W/㎡・kの住宅だと、3.0KW以下の空調機1台で、全ての住宅の冷房だけでなく、暖房も賄える筈。
余分な投資を強いられている気がしてならない。

最後に問題になるのは価格。
私のささやかな経験から言っても、一条工務店のトリプルサッシは、かなりリーズナブルだという印象が強い。
0.51W/㎡・kというQ値はどうでもよい。 何度も書くので気が引けるが、東京以西ではQ値は0.7W/㎡・kで十分。
硬質ウレタンになったことにより、価格が高くなったのでは意味がない。
ところが、一条工務店の i-smart Ⅱ のどの資料にも価格が提示されていない。

どなたか、いち早く i-smart Ⅱ の、活きた価格を教えてくれる人が出現することを、心から願っています。


posted by uno2016 at 14:57| Comment(1) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする

2016年06月20日

一条工務店のi-smartⅡに地場ビルダーか対抗してゆくには?



今日のこの欄で、野口悠紀雄著の「話すだけで書ける究極の文章法が作成出さるAI (人工知能とは‥‥)」(講談社) を取上げる予定で、原稿を書き終えていた。
ところが、ネットフォーラム欄へ18日付で藤木さんより「一条工務店が、i-smartのシリーズもので、i-smartⅡで、Q値がなんと0.51W/㎡・kという商品を開発し、販売を開始したらしい」 との特報が寄せられた。
これは一大事。
野口氏の指摘も面白いのだが、それに関わっている場合ではない。
一条工務店の 「Q値が0.51W/㎡・kという強烈なパンチに対抗するためには、地場ビルダーはどうあらねばならないか」 という大きな課題を一緒に考えてみることにしたい。


実は、前の i-smart のQ値0.82W/㎡・Kでも、地場ビルダーにとっては十分に脅威。
一条工務店だけが、この不況下にあっても売上を伸ばしていた。
三井ホームをはじめとしたツーバイフォーメーカーも、大手のプレハブメーカー各社もアップアップ状態。 もちろん地場ビルダーも軒並みアップアップ。 
これを打破するためには 「各社が統合して一条工務店対抗商品を開発するしかない」 と叫んできたのは、ご案内のとおり。
ところが、各社とも上の空。 本気で打開策を考えている会社は皆無。
私の昔の仲間で、206の壁に硬質ウレタンフォーム断熱を充填させて、両面に9ミリのOSBを張って壁倍率7.0倍以上の耐震認定を得ていた。 一条工務店より一歩前に、硬質ウレタンで認定を得ていたのはまぎれもない事実。

私は、i-smart の5.0倍という耐震性には、強い不満を持っている。
新井信吉氏の言う通り、「クギを変え、ピッチを変えれば、簡単に高い壁倍率が得られる」 ということを実証したまで‥‥。 50ミリに変えて65ミリのクギを採用し、クギのピッチを100ミリから50ミリに変えた。 おまけに、合板厚を12ミリから9ミリに変えた。 これで5.0倍の壁倍率が得られ、内部の石膏ボードのクギ打ちピッチを100ミリから200ミリに改悪している。
どう考えても、納得することが出来ないツーバイフォー工法の改悪作業。 そして、価格は低く抑えている。
価格が一条工務店より高くては、勝負にならない。
そのためには、ある程度の量、最低限の量をまとめねばならない。
仲間の地場ビルダーが、坪70万円台で売出すには、全国の地場ビルダーの協力が絶対的な条件。 何とか地場ビルダーが協力出来る価格を出して欲しいと仲間に願望したが、未だに返事がない。
これには、私もシビレが切れて、「勝手にしなさい」 と言うしかなかった。


私は、東京以西では0.51W/㎡・kというQ値は必要ないと考えている。
一条4工務店も、206の硬質ウレタンを充填するだけで、お釣りがくるはずだと考えている。
プラス50ミリの外断熱は必要ない。
何も、寒冷地のスウェーデンやドイツを真似する必要はないと考える。
私は、北海道が不燃材のロックウールを使って、プラス外断熱を行うことはやむを得ない選択だと考えている。 そして、北海道を真似て、S邸で206の充填断熱材にKMブラケットを採用して80ミリのロックウール外断熱をやって見た。
その結果0.9W/㎡・kの性能は得られたが、外断熱の工事にやたらと手間暇がかかり、予定以上のコスト高になってしまった。 この結果から、私は 「0.02Wの硬質ウレタンを使ってでも、内地の外壁は206に抑えて、外断熱は考えないようにすべきだ」 という信念を得てきている。 
別にKMブラケットに対して悪意を持っているのではない。 北海などの外断熱が不可避の場合は格好の資材。 だが、内地ではどこまでも206材に拘るべき。 そして、樹脂のペアー・サッシやトリプル・サッシの開発に意欲を注ぐべき。

そういった視点からみても、改良 i-smartⅡ には、私は納得出来ない。
樹脂のトリプルサッシのLow-E と硬質ウレタンを使えば、ことさら外断熱を用いなくても Q値は0.65W/㎡・kは十分に得られる。 そして、仲間の計画のように、両面OSBの9ミリ張りを優先させると、壁倍率は7.0倍以上となり、耐震性と耐水害性が飛躍的に高まる。
その商品を、仲間内で協力して、一条工務店の i-smartⅡ の前に発表すべきであった。
一条工務店程度の知恵は、地場ビルダーの中には十二分にあったことを、事前に知らしめるべきであった。

今から30年前の北洲の片方社長はすごかった。 カナダのR-2000住宅の動きをキャッチすると、個人で動き出した。 それにつられて、私ども地場ビルダーも建設省もツーバイフォー協会も動かざるを得なくなった。 その結果、施工を外注に出している大手は、気密性能‥‥つまりC値に構造的な欠陥を持っていることが判明。
一条工務店も、工事は外注に依存している。 このため、C値は硬質ウレタンを使用してもせいぜい0.5c㎡/㎡しか言えないはず。 これに対して、立派に教育した自社大工に施工をさせている地場ビルダーは、0.3c㎡/㎡は謳えるはず。 差が0.2c㎡/㎡はある。
そして、全熱交のロスガード90を使っている i-smartⅡ の場合は、トイレ・浴室・台所からのダーディ空気は、そのまま捨てているはずで、0.51W/㎡と言っても、驚くには当らない。 実質0.65~0.7W/㎡・kと考えて良かろう。 そして、気密性ではこちらが0.2c㎡/㎡は勝っている。
ということは、トータルで見たら一条工務店の0.51W/㎡・Kは、怖れる必要がなくなってくる。

私は、0.8W/㎡・kがコンスタントに出せ、C値か0.3c㎡/㎡が出せる地場ビルダーは、一条工務店の i-smartⅡ に対して、「価格力さえ出すことができれば、怖れずに足らない存在」 だと考えている。
しかし、0.82W/㎡もすごかったが、今回の0.51W/㎡はかなりの強敵だと考えざるを得ない。
もはや、仲間意識で団結するしか残された方法はない。


posted by uno2016 at 09:40| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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