2016年08月05日

この著で言う「育爺論」は、特殊例であって一般論ではない!



石蔵文信著「なるほど! 育じい道」(講談社 1200円+税)

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この著書の見出しをみると、何を言わんとしているのか、意味が良く分からない。
「なるほど! 育じい道」と書いてあるが、何と読めばよいのか?
「育児論」 という書籍がある。 それに倣って 「育爺論」 と読んでも間違ってはいない。
なまじ、「育じい道」などと称するから、混乱が起る。 「育爺論」 で押し通した方が、よほど分かりがよい。


「保育園の数が絶対に足りない」 という声は、しょっちゅう 耳にする。
保育園の絶対数は確実に増えているのだが、「子どもを預けることがことができれば、なんとか働きたい」 という親が潜在的にかなりいる。 例えば、待機児童が3000人いて、それだけの保育園をつくっても、翌年には保育園に入りやすくなったことを知って、今まで就労をあきらめていた親が、続々と申込から‥‥。
著者は、審査や申込みの心配を皆無にするには、予算がかかっても 保育園を義務化にする以外にはないと考えている。 各学校や幼稚園に保育園を併設することが可能であれば、待機児童問題は解決するが、人材の確保が大問題になるが‥‥。
このため、行政では祖父母に孫の世話をしてもらうことを提案。 3世代住宅とか祖父母が近くに住む家庭に、補助金を出す自治体も見られるようになってきた。

著者は、循環器内科の専門医。 早くに学生結婚をして、学生時代に子育ての経験をしている。
生れて来たのは3人とも女の子。 しかも長女の孫は2人ともこれまた女の子。 その長女の孫も大学5年の時に結婚して、国家試験を受けた時は妊娠8ヶ月の身重。
つまり、奥さんや 娘夫婦に助けられて循環器内科医という家事商売を始められたわけ。 そして自分や娘さんの結婚が早かったので、50歳ちょっとで救急の現場から離れ、同居している孫の面倒を見れるような身分になってきたという次第。

普通のサラリーマン世帯では、結婚するのが2014年では男で31歳を過ぎているし、女性の場合でも29歳を上回っている。
ということは、筆者のように50歳台で孫に恵まれるということは絶対になくなってきている。
男の場合は 確実に60歳台になっているし、女性の場合もほとんどが60歳台になってから孫の顔を見ることが、多い。
ということは、孫の体重がとくにお婆さんにとっては大変な負担。 孫は1人だけでなく、間もなく2人になる。 このほか いろんな玩具も一緒に持たされ、かなりの体力を消耗してしまう。 このため 「孫疲れ」 と言う言葉も流行っている。
まして70歳台のお婆ちゃんに、孫の面倒を見て貰おうとは考えること自体がムリ。
お婆ちゃんには、この「孫疲れ」 のほかに、著者の言う「夫源病(ふうげんびょう)」 がある。
孫が出来る頃、夫は定年を迎える。 1日中家の中にいて、「お茶」「新聞」「めし」と呼捨てにされるので、たまったものではない。
孫よりも よほど手がかかってくるのが、定年退職後の夫。 今までは朝食と家食しか考えなくてよかった。 それなのに、昼飯の用意までしなければならななってくる。 これを 「夫源病」 と言わずして、何というべきか。

したがって、定年退職後の昼飯ぐらいは 自分で作れるように、筆者は1人用の土鍋料理を「男のええ加減料理」(講談社刊) と対して出版している。 土鍋のまま1人前をそのまま 食堂まで運び、食べ終わったら土鍋の洗いや最後の後片付けまでのすべてをやるというもの。
狙いは主婦の手を一切借りないこと。
ここら辺りは私もやっていることで、特別に 負担と考えたことはない。 しかし、著者のように若くはなく、自家業でもないので、孫の面倒を見るという経験は、一切ない。
この著では、爺さんが孫の保育園への送り迎えから孫のオムツの取換え、夕食から一緒に風呂へ入ることまでを責任をもってこなしている。
これは、著者の行為に感動するよりは、メインの仕事を娘夫婦に任せられるようになってきたので、娘夫婦の手を煩わせるよりも、爺、婆は孫の面倒を見た方が全体的に効率がよいことが分かり、仕事の分担内容が変わっただけのこと。
それなのに、「ここまで孫のために懸命にやっているのだから、誉めてほしい」というような書きっぷりが目立つ。
途中で何回となく、投げ出したくなってきた。

しかし、以下の格言は実践から生まれて来たものだけに、身につまされる。
「孫の世話くらいと、あなどるべからず‥‥」
「おっぱいのない爺が、1人で3時間、孫の面倒を見ることが出来れば、1人前」
「オシッコ、ウンチのサインをどうしてキャッチするか?」
「簡単! 早い! 栄養満点! 土鍋でええ加減離乳食」
「赤ちゃんが泣いているのは、困っているから‥‥」
「猿の赤ちゃんは、泣かない」
「5歳までがしつけどき、学校へ行くようになると学校が面倒をみてくれる」
「ほんとうにむずかしい、子どもの叱り方」
「孫がもたらしてくれる最大の効能は、健康が増進することと認知症の予防」
「子どもとの根競べが、孫の成長をうながす‥‥」
「ええかげんでも、子どもと真正面から向かい合っていれば、オーケー」




posted by uno2016 at 08:43| Comment(0) | 書評(その他) | 更新情報をチェックする
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