2016年08月15日

先日、空調・換気の新モデルを拝見‥‥不明な点はあるのだが?



お盆休みの真っ最中。
お盆の直前に、元ユーロハンズの社長で友人の小川氏に、横浜の創建社が開発して引渡し直前のK邸のモデルを案内していただいた。
ご案内のように創建社というのは約1年前に自宅を横浜に建て、以来超高気密住宅に特化して、約一年以内に7戸の超高気密住宅のみを受注している先鋭起業。
年間最低2桁の超高気密住宅を受注しない限り、メーカーから直接に資材が供給されないことを知って、必死になって受注の開拓と仲間づくりに努力している、なかなか頼もしい会社。
創建社がQ値0.9W以外の受注には、よそ見をしなくなったのは立派。

外観.JPG

案内されたのは、横浜神奈川区の片倉町の現場。
正南北の土地が西側にねじれていて、間取りを南北に長く建てたので、11 時以降は東正面の大きなガラスに陽が当らないのが残念。 いわゆる午後になると、正面が霞んで見える。
しかし、この家の空調・換気に関しては、長年地下鉄などの開発に勤しんできた 小川氏の技術が万遍なく活かされている。
ただし、車両などでは、どこまでも温度が基本。 私のように湿度から入った者には、氏の理論を完全に吸収するのには時間がかかる。

ご案内のように、私は夜は28℃でも、相対湿度が43%であれば安眠できる方。 絶対湿度が11グラム以下であれは、多少温度が高くても気にならない人。
そして、このお盆の最中の日中でも、温度が26℃であって、相対湿度が47%以下であれば、絶対湿度は間違いなく11グラムを切り、場合によっては10グラムも切ってしまう。 この方が快適であり、気も心もなごむという輩。
冬季は相対湿度が30%でも良いと考える口。
しかし、相対湿度が30%を切ると、ご婦人の肌が荒れるというので不評。 このため室温は22~23℃で、相対湿度は38~40%、絶対湿度は7グラム前後を原則としなければならない。
これが、私が唱えるところの相対湿度と絶対湿度の関係。

ところが案内された新居は、予想以上に寒かった。
温度は22~23℃程度だったと思う。 新居で温度を慣らすためにわざと低温にしていたのだろうと推測するが、私の身体は途中で完全に音をあげていた。
それと引越前のために、部屋には吸音出来る荷物がほとんどない。 一部に布のブラインドシャッターが掛けられていたが、床がウッドフロアーのために吸音不足で、耳がガンガンと響いて話の内容が良く聞こえない。 とてもじゃないが長居の出来る環境ではなかった。
私は 多くの邸宅を提供してきたが、このように騒音がうるさく感じた住宅は、少なかったように思う。 やはり、在来木軸工法の場合では 間柱が細く、ドライウォールの吸着度が低いためではないかと 考えてしまった。

14ミリダクト.JPG

さて、問題はこの住宅の空調・換気。
驚いたことには、空調用のダクトと、冷暖房用の太いダクトが別々に配置さりれていたこと。
しかも、両方ともスパイラルダクトで‥‥。
このスパイラルダクトの径は150ミリ。 私が多用してきたダクトは、これに50ミリ厚のロックウールを断熱材として巻きつけて、径は250ミリ。 これが半分以下の20ミリ厚の断熱材にかわり、径は190ミリと6センチも小さくなっている。
それだけではない。 なんと丸三製紙が開発した 「セーフティダクト」 というのは、厚みがたったの12ミリで、従来の50ミリ厚のロックールに匹敵する断熱性能が得られるという。
ということは、従来の250ミリ厚の径が、たった178ミリ厚のダクト径で間にあうということ。
もちろん内部はスパイラルで、写真のようなコーナー金物付きである。
このセーフティダクトは、冷暖房用の全ての空調ダクトに採用されている。
ただし、k邸では設置されているのは冷房オンリーで、加湿用のスペースは十分に用意されているという。
そして、この空調ダクトに併行して換気スパイラルダクトが併用される。

ここで問題になるのは、冬季の加湿用システム。
ヨーロッパは、冬季が雨期。 毎日のように雨や雪が降り、雨がなくても終日曇ったまま。 冬季に快晴という日は皆無と考えてよい。 したがって、ヨーロッパでは日本のような冬季の異常乾燥という事態は考えられない。
ダイキンは、世に初めて透湿膜という製品を世に問うた。 ただし水道水には塩素が加えられていて、透湿膜は早かれ遅かれ、塩素で埋められてしまう。 このため、ダイキンではいち早く空気中の水分で加湿を補えるデシカを開発して問題の多い透湿膜の生産中止を決めた。
困ったのはダイキンの透湿膜制度に踊らされて、デシカ以前にシステムを購入させられた施主。
有難いことには、ダイキンに続いて 透湿膜を開発してくれた三菱。 たしかに 塩素問題は未解決だったが、透湿膜による加湿問題は解決された。 これに対して東芝は、三井ホームの言うなりに開発したくれるが、透湿膜についての実績がない。 いかにも、後で取り付けられるられるようになっていても、どこまで信用してよいかに疑問視する向きも。
それほど、冬季の加湿問題は難しいと考えてもらいたい。

さて、創建社のシステムで、一番安心出来るのは、スウェーデンのシステムエアの顕熱交が安心して使えるということ。
ご案内のとおり2年前にユーロハンズが倒産して、システムエアーの窓口はなくなった。 これでは不便だと言うので、「小川君がいないと旨くゆかない」 ということで、今年に入ってシステムエアーが出資して、輸入企業を設立して、小川氏を取締役に選出したと聞いた。
つまり、システムエアーの顕熱交が、今まで通り簡便に使えるらしい。
つまり、一条工務店に代表される国内メーカーのビル用の全熱交ではなく、住宅用に開発されたスウェーデン社製品が、手ごろな価格で採用出来るようになってきた。 これは、大変に喜ぶべきことだと私は思う。
下の写真は、階段室の上半分を使ったシステムエアーの熱交換気の外部 (遮音のためにサイレンサーダクトを使用している) と、顕熱交換機の内部。

システムair外.JPG

システムair内.JPG


吹出とエアコン.JPG

さて、このシステムで意外に感じたのは、写真のような特殊な天井埋めこみ式吹出口を開発していたこと。
ご案内のように、私は各メーカーの天井埋めこみ式吹出口にはコリゴリ。 冷気や暖気がモロに落ちてきて、お世辞にも 「快適だ」 とは言えない代物ばかり。
しかし、この特殊な室内吹出口には、2つの特徴がある。
1つは、換気と空調氣の出口が別々になっていること。 これには、心の底からビックリさせられた。
もう1つは、吹出口の真下に行っても、全然風を感じなかったこと。
これには降参。
「この特殊な吹出口なら、いくつでも天井面についていても許せる」 と感じたほど。
それほど衝撃的。

なお、この写真では良く分からないが、集成材の大きな梁の直下についているのが、東芝製のビル用空調機。 この空調機で、冬季の暖房と夏季の冷房と除湿を行う。 ただ、換気と冷暖房のスパイラルダクトとセーフティダクトが、平行に走っている点が、この写真では実感していただけないのが残念。 
別の機械に、改めて紹介したいと考える。




posted by uno2016 at 08:07| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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