2016年09月20日

岩波新書から出版された祖田氏の 「鳥獣害」 は、大きな話題に !



先週、「独善的週刊書評」 で紹介した、祖田修著の岩波新書の 「鳥獣害」 の反響の大きさに、正直なところビックリさせられた。
私も、まさか日本の農村のかなりの部分で、これほどの鳥獣害に 悩まされているとは、「寝耳に水」 状態だった。
たしかに、本著では京都だけではなく、日本全国の鳥獣被害の実情が報告されている。 それをどこまで信用して良いのか分らず、混乱状態に陥った‥‥のが現実。
私は、富山県の南部の出身。
しかし、私が医王山麓の福光や福野で育ったのは半世紀前。
そして、東京の大学へ入るという目的はあったものの、田舎から飛び出してきた1人であることは間違いない。
その頃は、鳥獣害は無視して良いほどだったと思う。
それが、半世紀たった現在の実態が、まったく分からないで困っている。

それだと、「簡単に田舎へ電話して聞けば 良いだけではないか」 と言われるが、常日頃 古い友達とは没交渉になっている。 田舎も 親兄弟も死んで、代が変わってきている。 電話が出来る相手が、簡単につかまえられない。
ということで テンヤワンヤ。
中間山間地は別にして、私の田舎までが 鳥獣の被害が蔓延しているとは 考えにくい。
というのは、確かに多くの若者が高度成長期に田舎を捨てて、都会に出てきたのは事実。 そして著者が言うように、田舎の高齢化が一気に進み、「鳥獣を追いたてる人間が少なくなっている」 ことを認めるにやぶさかではない。
だが、普通の町まで鳥獣がのさばり、収集がつかなくなっているとは信じられない。
もし、それが事実だとしたら、もっと地方紙が大きく取上げているだろうし、地方のテレビで 大きな話題になっている筈だと思うから‥‥。

しかし、潜在的な問題であったにしても、戦後の 過剰な復員軍人とか、満州などから帰国を余儀なくされた人口を、抱えさせられた中間山間地。
そこから余剰人口か減って、鳥獣が威張りだしていることは容易に想像できる。
しかし、ある時点を過ぎると、鳥獣の被害が急速に進むということは、想定内の出来ごと ではなかったか‥‥。
それが、想定以上の異常な状態にまでなってきているというのが、著者の言い分。
たしかに、著者が体感した範囲内では、想定外のことが多発している。
田舎の農家が野菜づくりを諦めて、野菜を購入する農家が 爆発的に増えているというのが、その代表例だろう。
まさか、農家が野菜を作れない事態が起ろうなどとは、考えたこともなかった。
それだけ、根が深い問題かも知れない。

最近、老後を田舎で野菜づくりなどをして、悠々自適に暮らしたいという人が 目立って増えてきている。 そして、この傾向は 何も老人に限ったことではない。
農林省の調査によると、若者による田園志向が増大してきている。
その基本にあるのは、コメづくりではなくて野菜づくり。
その肝心の野菜づくりが否定されるということになると、若者による田園志向は どこまで持続できるのだろうか‥‥。 まさか、「無」 になることはなかろうが、かなり減ることは 間違いないと断言出来る。
現に私は、セソコ マサユキ著の 「あたらしい移住のカタチ」 という著書を 独善的書評欄で取上げるつもりで準備を進めていた。 大都市から全国へ移住する10例を取上げた面白い企画。
しかし、その半分くらいが、場合によっては 「野菜づくり」 で行詰るかもしれない と分り、急遽、連載を中止した。

また、赤峰勝人著の 「食の命 人の命」 も連載を中止した。 もっともこの著作は、著者が大分県で 「無農薬、無化学肥料」 と、自然海塩の活用で、新しい農業の確立に 努力した点は買えるが、陰陽とか宇宙の法則などという自己流の訳の分らない 論理を展開し、自社農園のPRのみに力を入れている点が連載をやめた主因。
自分の存在意義をしっかり理解して、もっと学者先生などを立てて、「無農薬・無化学肥料」 と自然海塩の普及に力を入れるべき。 そうでないかぎり、折角の 「食の命 人の命」 の好著は、永遠に浮上することはなかろう。




posted by uno2016 at 08:07| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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