2016年09月25日

気密性を維持するために地場ビルダーかなさねばならぬ耐震性強化!


私は古い人間で、地場ビルダーが果たさねばならない最低限の仕事は、耐震性を確保して 気密性を保障することだと考えている。

最近の住宅被害は、地球の温暖化の影響が強く現れていて、やたらに水害による被害や 大雨による河川の決壊被害が多くなってきている。
しかし、欧米のホームビルダーのように 分譲地まで手掛けている場合においては、浸水とか堤防決壊による被害に関わらざるを得ない。
だが、日本の地場ビルダーのように 分譲には一切関係がなく、もっぱら建築のみを委託される場合には、住宅の依存地に関しての責任は取りようがない。
したがって、テレビや新聞でいくら騒ぎたてようとも、気の毒だと言う気持は高まるが 何一つ手助け出来ないのが現実。

そけだけに建築業者は、建物そのものに対する責任が大きい。
ご存知のように、阪神・淡路の大震災で、神戸などの多くの住宅は細い通し柱が折れて、1階で寝ていた老人などは下敷きになって即死。
「大阪は、決して震度6以上の地震がない」 という噂話が ひろがっていたにしても、神戸などで多くの倒壊住宅が発生したのは、私は 「地元の大工さんをはじめとした建材店などの協同責任である」 と断定した。
あの大被害の全責任を、消費者に押し付けて、こと足りるとしていた 建材業界や大工組合に対して、猛烈な反発心を抱いたのは事実。

現在の建築基準法では、「震度7という烈震があっても、ともかく住宅が倒壊せず、消費者が無事に避難出来れはOK !」 という慣例が、まかり通っている。
しかし、もし貴方が 被害者であった場合のことを 考えていただきたい。 現行の基準法で満足出来るだろうか?
熊本地震では、2度目の震度7の烈震で、多くの被害者を出したと言われている。
しかし、多くの在来木造を提供していた業者が、「営業停止処分」 になったという話は聞いたことがない。 ということは、現在の建築基準法というのは、どこまでも「業者を守るためのものであって、消費者を守るためのものではない」 ということになる。
ここまで、コケにされていて、それでもあなたは 「建築基準法が正しい」 と考えて いるのだろうか?

私が、建築基準法の矛盾に気付かさせてくれたのは、中越地震の烈震地・武道窪で、唯一 倒壊を免れた主婦の発言。
「おかげさまで 私の家だけが、唯一 倒壊を免れることが出来ました。 この点に関しては、この住宅を提供してくれたメーカーには感謝しています。 だが、今までは前の坂道を登る自動車の音が、全然気にせずに生活ができました。 しかし今は外壁がガタガタになり、気密性能がまったくなくなりました。 夜だけではなく、日中もうるさくて困っています。 この気密性能はメーカーが治してくれるのでしょうか? 誰に相談したら真剣に考えてくれるのでしょうか? 気密性能の保障は、誰がどのようにやってくれるのでしょうか‥‥」
それまでは、耐震性や気密性能のことは話しても、誰1人として気密性能の保障に関しては 説明していなかった。
つまり今までの家では、気密性はプラスアルファのおまけの性能でしかなかった。
最近は、ほとんどの家が 「高気密・高断熱」 を謳い文句にしている。
しかし、「高気密・高断熱」 を謳い文句にしていながらも、誰1人としてその保障のことは語っていない。
この大きな問題の存在に、私も初めて気がついた。

私の考えでは、住宅の気密性を保障してくれるのは耐震性しかない。 耐震性を今の2倍程度にするしか秘策がないはず。
ところが、建築基準法で言うところの耐震性に関する私の知識は、古いものしかなかった。
頭の中にあったのは、9ミリの構造用合板を用い、長さ50ミリのクギを外周100ミリピッチ、中通を200ミリ間隔で打てば、壁倍率3倍の耐力壁が得られる、という程度。
これを長さ65ミリのクギにして、外周50ミリピッチ、中通を100ミリピッチで打った何社かが、特認として壁倍率5倍の認定を得ている‥‥。
そして 構造用合板12ミリを用い、65ミリのクギを外周50ミリピッチ、中通100ミリで打てば、なんとか基準法の2倍近い数値が得られるのではなかろうか。
このほかに、12.5ミリの石膏ボードを、外壁だけでなく、内壁には両面にダブルに入れ、GNF40のクギで、外周50ミリ、中通100ミリピッチで打てばプラスアルファの性能が得られるはずだ‥‥と計算した。 「この計算が正しい」 などと言うつもりはサラサラない。
要は気密性能を担保するには、特認が得られるとか得られないということは別にして、これしか方法が浮かばなかったということ。
そして、何度も強調しているように、ボード類を外周455ミリ離れたスタッドから張出し、開口部の隅部は必ずボード類をコ型にくり抜くように工夫した。 この採用で、震度7に遭遇しても 開口部周辺の亀裂を防止することが可能に。

ご案内のように、今月の9月15日のこの欄で、8月19日の日経新聞に掲載されていた三井ホームの全面広告について、私の考えを述べた。
それに対して、16日付で読者から私宛にメールが入り、「三井ホームをそんなに信用してよいのか?」 との投稿があったので、ネットフォーラム欄で紹介した。
そしたら、「さとしさん」 から9月18日になって、三井ホームの営業担当者から聞いた話として
以下の3点が強調されていた。
「①は三井ホームの単独事業ではなく、国立研究法人・土木研究所との共同研究であったこと。
②は内容は不明だが、壁倍率10倍程度の特殊な耐力壁を持った住宅を建て、破壊するまで揺らして震度7が60回にも及んだが、壊れなかった。 当日は気温が高く、油が良く滑り、5000ガルを超える想定外の揺れが現出したが破壊しなかった。 
③は普通の2×6の3階建住宅 (あるいはアパート) でも、都合29回の震度7の耐震実験を60回と同時に行っているが、被害はゼロであった」 というの。
私は過去には、三井ホームの技術担当者と懇意につき会っていた。 だが、最近は懇意なつきあいは皆無。 したがって、さとしさんからの情報を大切に考えていた。
それでいいのだと思う。 今更ながら 私のようなロートルがシャシャリ出るのがおかしい。
若いジャーナリストや評論家にお任せすべき。

さとしさんの報告の中の3点とも、三井ホームの全面広告では謳われていなかった項目。
とくに土木研との共同研究であったことや、壁倍率10倍と言う特殊な壁を用いた実験であったということは、どこにも掲載されていなかった。 そういった点で、さとしさんの報告には 心から感謝をしている。
たしかに、前後して全面広告を打った某社の内容は、「震度7の実験を2回行ったが、被害はゼロであった」 と言うものだったという記憶が‥‥。
これに対抗するために、壁倍率10倍という特殊な住宅を三井ホームは開発したのだと思う。 そんな特殊な住宅だから、震度7強であっても 被害はゼロであったという話は納得できる。 なにしろ2時間耐火で、21ミリの高性能石膏ボードを3枚も採用した実績のある三井ホーム。 もし壁倍率10倍が必要であれば、15ミリ程度の構造用合板の2枚張りなどは 軽い作業。 これに匹敵する耐力壁を考えたとしてもおかしくはない。
だがこれは、実用性の乏しい架空の物語として考えてよかろう。

問題は、多分特認を得ているはずの2×6の3階建。
これが、震度7の揺れに29回にも無傷で対応していたという事実には、ビックリさせられた。
私などが考える前に、三井ホームは実用化していたのだ。
したがって、私は 「負けました!」 と、三井ホームに対して、いさぎよく頭を下げるべきであろう。




posted by uno2016 at 10:02| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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