2016年10月20日

山田 順著「地方創生の罠」 (イースト新書 907円+税)

この著には、図が入っていませんでした。
それを、遅れましたが本日訂正いたしました。
図の間違いも訂正しましたので、改めて読んでいただきたいと思います。
(2016/10/22 鵜野)

この書を読むにあたり、過去7年間に約18冊の同類の著書が出版されていることが分かった。 ともかく地方再生に関しては、いろんな本が出版されているということには、驚かさせられた。 それにしても、出版業界の底の浅さが気がかり。
そして、出版された著書を年ごとに分類すると、次のようになる。
もちろん、これ以外にも類似本はいろいろ出版されているようだ。 私の集めたものがすべてだと断定する気持ちなどは、さらさらない。 それにしても私が読んだのは、この中のごく一部にすぎない。 全部を読んでいるほどの暇人でもない。
ともかく、私が読んだ 「地方再生の罠」 は、6年前から類似品がいろいろ出版されており、いまさら取上げるほどの話題性がなかったことに気がついた。
著者は、やたらにバラマキ政治を批判しているが、バラマキ政治は地方再生事業から見ると、ほんの一握りの現象にすぎないということが、これらの著作を見ていると分かってくる。

○2009年10月7日 農山村再生 小田切徳美著 (岩波ブックレット)
○2010年7月5日 地域再生の罠 久繁哲之介著 (ちくま新書 853円)
○2014年6月14日 なぜローカル経済から甦るのか 富山和彦著 (PHP新書 842円)
○2014年12月8日 地方消滅の罠 山下祐介著 (ちくま新書 972円)
○2014年12月10日 自治体崩壊 田村 秀著 (イースト新書 980円)
○2014年12月20日 農山村は消滅しない 小田切徳美著 (岩波新書 864円)
○2015年3月14日 東京劣化 松谷明彦著 (PHP新書 842円)
○2015年6月19日 地方消滅と東京劣化 増田寛也・河合雅司著 (単行本ソフトカバー 1296円)
○2015年8月24日 地方消滅 創生戦略 増田寛也著 (中公新書 799円)  
○2015年8月28日 地方創生ビジネスの教科書 増田寛也監修 (単行本ソフトカバー 1296円)
○2015年12月18日 東京消滅 介護破綻と地方移転 増田寛之編 (中公新書 821円)
○2015年12月18日 ルポ・老人地獄 朝日新聞経済部 (文春新書 842円)
○2016年4月9日 人口減が地方を強くする 藤波匠著 (日経プレミアム・ソフトカバー 918円)
○2016年4月19日 地方再生の失敗 飯田康之他著 (光文社新書 907円)
○2016年8月15日 地方創生の罠 山田順著 (イースト新書 980円)
○2016年8月17日 武器としての人口減社会 村上由美子著 (光文社新書 799円)
○2016年8月19日 老いる東京 甦る地方 牧野知弘著 (PHP新書 940円)
○201年10月7日 地方創生大全 木下斉著 (単行本 1620円) 

そして、この本では第1章と第2章で、「ゆるキャラ」と「B級グルメ」とか、「ふるさと納税」と「プレミアム商品券」を取上げており、たいして読むところがないと諦めかけていた。
ところが、第4章になって、いきなり下記の資料が提示された。
この資料に関しては、もちろん初めてのものではない。 何回も、あちこちで見かけた資料で、ことさら取上げるほどのことでもないものと考えていた。
ただ、私はこれまでこの資料をマジマジと眺めたことはなかった。

将来人口推計.jpg

そこで、改めて眺めて見ると、人口の減少と高齢化問題は、これからの経済活動を考えると、革命的な問題だと言うことが分かってくる。
そして、この高齢化による人口減は何も日本国だけに限った問題ではなく、中国を含めて人口減少に入った各国に共通する大問題だということも、よく分かる‥‥。
ただし、各金融機関などが推定した中国関係の資料は、2030年分までしかない。
と同時に、世界各国の資料は65歳からを高齢者に分類しているところが多い。 したがって、日本のように15歳から59歳までを現役の働ける層に分類しておらず、資料によっては15歳から64歳までを現役層に分類しているところが多い。
私が調達した資料は、中国の現役層は64歳までを現役層にしていたので、これに合わせて日本の現役層を64歳にすると、上図は下図のように変化する。

    12,660万人 12,410万人 11,662万人 10,728万人 9,708万人 8,674万人
65歳以上 26.8%    29.1%    31.6%    36.1%   38.8%    39.9%
15~64歳 60.7%    59.2%    58.1%    53.9%   51.5%    50.9%
0~14歳 12.5%    11.7%    10.3%    10.0%   9.7%     9.1%
     2015年    2020年    2030年    2040年    2,050年   2060年

この数字を、直接中国へ当てはめて見よう。
ご案内のように、中国関係では2030年までの資料しか発表されていない。
したがって2040年、2050年、2060年の資料は、全く私の当てズッポウな数字でしかない。 したがって、2030年以降の労働力に関する資料などは、信頼に値しないことを前もって お断りしておきたい。

     7.34億人    7.07億人   6.44億人   5.84億人   5.24億人   5.07億人
65歳以上  29.9%    32.4%     34.9%    36.4%     39.4%    40.1%
15~64歳  58.0%    56.6%     55.3%    53.9%     51.5%    50.9%
0~14歳  12.1%    11.0%     9.8%     9.7%      9.1%     9.0%
      2015年   2020年    2030年    2040年    2050年    2060年

しかし、各資料を並列的に並べただけでは 問題点が理解出来ない。 そこで、私が集めた資料を意識的に変更して、日本流に並べ替えて見た。
断っておくが、私が勝手に並べ替えた資料は、2015年を原点として、2020年、2030年、2040年、2050年、2060年までを比較したものにすぎない。 この数値に、責任を持てないことは最初に断った通り。
いずれにしても、日本と中国とではそれほど老人化による危機にはそれほど大きな差はない。
ということは、一頃 中国の経済が爆発的に伸びて、アメリカなどを脅かすと考えられていたことは、どうやら空想の世界のことだったらしい。 それほど、中国に気がねをする必要性はないように感じてならない。

それにしても、日本の近い将来のことを考えると、憂鬱になってくる。
私のように、たっぷりとした経済の高度成長と、バブル景気を味わってきた者には、これからの不況は我慢しなくてはならないと、すでに覚悟が出来ている。
しかし、これからの若い孫や曾孫には、あまりにも現実が厳しすぎるのではなかろうか?
そう考えると、これからの若者に対して、私などは掛ける言葉をなくしてしまう。
今回、中途半端なことを承知の上で、資料をまとめに狂奔はしたのは、責任を感じたからだったかもしれない。
この程度の結論を引出すために、狂奔したことを心から恥じねばならないだろう。




posted by uno2016 at 11:54| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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