2016年10月30日

山下博司・岡光信子著「インドを知る事典」(東京堂出版 2900円+税)

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10月20日付の山田順著 「地方創生の罠」 のこの欄に、「日本の年齢区分別将来人口推計」 を掲載したことは、正しかった。
しかし、それに基づいて、中国の年齢区分別将来人口推移を、当時得られた資料で紹介した点には、いろいろ問題点が出てきた。
第一に、2015年が日本だけでなく中国でも最高の人口だと考えたことが、そもそも間違っていたらしい。
おそらく、下記の2030年が総人口のピークだろうという、下記の資料が正しいようだ。

 2015年の中国の推定人口  13億6782万人 (内は15歳から64歳の労働人口 10億0750万人)
 2020年の中国の推定人口  14億0285万人 ( 9億9310万人)
 2030年の中国の推定人口  14億1555万人 ( 9億6263万人)
 2040年の中国の推定人口 13億9471万人 (               8億6600万人)
 2050年の中国の推定人口  13億4806万人 ( 7億9453万人)
 2060年の中国の推定人口  12億7676万人 (               6億8789万人)
つまり、労働人口のピークは2015年だが、人口のピークは2030年になると言うこと。
この中国の実態も知らずに、一方的に日本の事情を当てはめたと言う間違いに対して、深くお詫びをしたい。

今年に入って、私がもっとも信頼している高橋洋一氏が、「中国GDPの大嘘」 という出版物を出版した。
この著書に呼応するかのように、長谷川慶太郎・田村秀男共著の 「日&米は堅調  EU&中国は消滅」 とか、宮崎正弘・田村秀男・渡邊哲也共著の 「中国経済は どこまで死んだか」 などが出版され、中国経済に対する信頼は一気に薄れた。
これはソ連の指導下で、中国経済の統計が水増しされているらしい。 中国は100ドル経済と自称しているが、半分の5兆ドルなのかもしれない。 つまり、600~1000兆円の規模にしかすぎないのではないか、という憶測。
つまり、「中国はインド経済にイチャモンを付けているが、本当に襟を正さなければならないのは、中国ではないか‥‥」 という疑惑。 このことに関しては、私はどこまでも部外者であって、とやかく言える立場ではない。

しかし、インドに対して日本の人々は知らなさすぎる。 なんとか、インドを正しく紹介したいと言うことで、この440ページを超す 「新版 インドを知る事典」 をとり挙げてみた。
しかし、インドと言う国は一筋縄ではゆかない、難しい国。
私などは、「イギリスの植民地だった国。 したがって英語が共通語として通用するはずだ」 と軽く考えていた。
ところが、英語が喋れるのはインドで主にインテリと呼ばれる一部の人間でしかなく、英語の普及率は10%以内と知らされて、腰が抜けた。
インドの人口は2015年で13億人に近い。 今までは 2020年頃に中国を抜いて世界一の人口を誇る国になると考えられてきた。 ところが、今年になって 「中国の数字のデタラメさが認識され、場合によってはインドが すでに世界一の人口を誇る国かもしれない」 と言われるようになってきている。
それは、私にとってはどちらでも良い話。 ただ、中国が 「1人化政策の影響で、ことのほか老齢化が進んでいる」 ということが気になってくる。 私が2週間前に書いたことが現実になって、アジアを襲ってくることが、やたらに怖い。

ともかく、中国はなんだかだと言っても、北京語が全国に通じる。
これに対して、インドに単一のインド語がないという。
こんな話は、貴方は信じられるだろうか? 
インド憲法は、世界一長大な憲法として知られている。 インドは28の州と6つの直轄地および首都から成る連邦国家である。 そのことは、何一つビックリすることはない。 それ以上の多い州の実態を、アメリカで見ている。
しかし、各州は 「言語州」 と呼ばれ、憲法で公認された言語が 22もあるという。 方言が22もあるというのではない。 認知された言葉が22もあると言うのだ。
この事実を、貴方は信じられますか?

ともかく、州ごとに母語が22もある国。 なんと方言も含めると1683種になると言うから 呆れてしまう。 しかし、そんなに言語が多い国が、1956年に国民会議派のネール首相のもとで政権が確立してのだから、一体どうしたのだろうかと、疑問が湧いてくる。
憲法で公認された言語が22あると書いたが、その中で 「ヒンディー語」 が、優先する形になっているからネール政権は可能であった。 しかし、「ヒンディー語が名実ともに 国家の共通語になることはない」 と言われている。 そして、植民地時代の英語が、準公用語のような役割を果たしている。 言語を異にする人々や、都市住民の重要なコミュニケーション手段として、今後とも使われてゆくであろう。

もう一つ分らないことは、ヒンドゥー教のやたらな普及率。
カシュミール州を除いたインド人の宗派別の人口比率は、次のようになっている。
  ヒンドゥー教徒  96,630万人  79.8%
  イスラーム教徒  17,220万人  14.2%
  キリスト教徒    2,780万人   2.3%
  スィク教徒     2,080万人   1.7%
  仏教徒        840万人   0.8%
  ジャイナ教徒     450万人   0.5%
  その他        790万人   0.7%
ともかく、ヒンドゥー教徒か80%を占め、イスラーム教徒と合わせると94%も占めてしまう。
ヒンドゥー教徒が80%を占めると言うことは、インドにとっては「民族的な宗教」と言っても過言ではない。
ヒンドゥー教が何であるかを知らない私には、インドを語る資格が一切ないことを知らされた瞬間でもあった。 


posted by uno2016 at 17:38| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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