2016年12月31日

2016年下半期、読んで面白かった本のベスト10 (下)


さて、ともかくこの144冊の中からベスト10を選ばねばならない。
なんと候補作品は30冊近くになってしまった。
いつものことながら、この中からベスト10を選ぶと言うのは、容易ではない。 
その結果、どうしたかというと、13冊もあった面白いと感じた小説を全部まとめて10位としてしまった。
そして、どうしても優劣を付け難いので、なんと6冊もまとめて9位にした。 まさに玉石混淆の荒技。 というよりは、責任がとれないので、苦肉の策。
そして例年だと、選んだそれぞれの本のカラー表紙を掲載し、私なりの寸評を掲載した。
それを、今年は省くことにした。 
手抜きと思われるだろう。 しかし、私にはこれがベストの選択でしかなかった。
どうか、許して頂きたい。

その変わりとして、ベスト1位から5位までは、すでに本紙で取上げているので、その時評が掲載された時の日時と内容を同時に発表。 
いずれにしても今回の評価は、かつてのモノほど客観的とは言えず、場合によっては10位に記載されたものから1位となるものが出てもおかしくはなく、9位に上げれたものが2位になる可能性を持っている。
下記の順位は、2016年の12月29日の仮の順位に過ぎないと解釈頂いて良いようである。
その諸点を考慮の上、順位を眺めて頂きたい。

第10位
小説12点(含む上下刊)。
●誉田哲也著 「増山超能力師事務所」 (文芸春秋)
●幸田真音著 「この日のために」 池田勇人・東京五輪への軌道 (上) (下)  (角川書房)
●池井戸潤著 「不祥事」 (実業之日本)
●  〃     「七つの会議」 (日経新聞新書)
●  〃     「ようこそわが家へ」 (2013年) (小学館文庫)
●佐藤雅美著 「知の巨人・荻生徂徠伝」 (KADOKAWA文庫)
●中居真麻著 「今日から仲居になります」 (PHD研究所)
●黒木 亮著 「貸し込み」 (上) (下) (角川文庫)
●川渕圭一著 「窓際ドクター」 (幻冬舎)
●門井慶喜著 「シュンスケ!」 (角川文庫)

第9位 6点
●日経ホームビルダー著 「なぜ新耐震基準の住宅は倒れたのか」 (日経BP)
●山中伸弥・伊藤穣著 「プレゼント力」 (講談社)
●地球科学研著 「トコトンやさしい地球科学の本」 (日刊工業新聞)
●朝倉 慶著 「世界のトレンドが変わった」 (幻冬舎)
●山田 順著 「地方創生の罠」 (イーストプレス新書)
●篠田航一・宮川裕章著 「独仏《原発》二つの選択」 (筑摩選書)

8位。
●山口正洋著 「日本経済 世界最強論!」 (東邦出版)

7位。
●イアン・ミラー著 「水の歴史」 (原書房)

6位。
●石蔵文信著 「なるほど 育じい道」 (講談社)

5位。
●井形慶子著 「突撃! ロンドンで家を買う」 (ちくま新書)
10月30日付の「独善的週評」に詳細が出ています。

4位。
●プロジェクト編著 「荻窪家族プロジェクト物語」 (萬書店)
7月15日付の「今週本音」を読んでいただきたい。

3位。
●森 透匡著 「見抜き力 元刑事が教えるウソと心理」 (明日香出版)
11月6日の「今週の本音」を見ると、詳細が分ります。

2位。
●山田 順著 「地方創生の罠」 (イーストプレス新書)
10月20日の「今週の本音」欄を読んで頂くと、おおよそのことが分ります。

1位。
●祖田 修著 「鳥獣害」 (岩波新書)
9月16日の「独善的書評」と、9月20日の「今週の本音」を読んで頂くと、概略が分ります。



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2016年12月29日

2016年下半期、読んで面白かった本のベスト10 (上)

恒例の独善的面白本のベスト10。
毎回おなじことを書くが、日に200冊も出版される本を、1人で選択しようとすること自
体が、そもそも無理な相談。自分で書店でも開いておれば、片っぱしから読んで選択も
できるだろうが、私の趣向は最初から偏っていることを認めざるを得ない。
今期は、乱読気味で500冊を超える勢い。 これだと上期の385冊と併せて年間900冊近く
になり、日に2.4冊を超えることになる。 このため、11月下旬で455冊で切り上げ、年
間840冊に抑えた。日に平均2.3冊の勘定。
それでも、うっかりして 「週刊書評」 や 「鵜野日出男の今週の本音」 の中の今年の
文章の中に、11月以降の分を掲載してしまった。 それで、まったく申し訳ないが、今
年に掲載した分は、2017年の上半期の分として評価をさせていただきたい。 大変勝手
なことを言っ4申し訳ないが、そうでもしなければしなければ収まらないと言う事情も
ご考慮いただきたい。

この中で、レベルに達していると私が感じた本は144冊で、前回の110冊に比べ34冊も多
くなった。 そして、ベスト10候補には◎が附いているが、前回より7点も減って103冊
しかなかったことは、大変寂しい思いをさせられた。

中でも目に付いたのは、「環境・農業・食品・医療」関係本が、前期の23冊から61%も
伸びて37冊にもなったこと。 そして、今までダントツだった「経済・政治・経営」関
係本の34冊も上回って、ダントツのトップになってしまった。
これは、環境関係の本がこの期に多く出版されたので、私の読書関係もその大波に洗わ
れたことによるものだろう。
決して私の読書が偏向していたからではないということを、ここに強調しておきたい。
しかし、それにしても60%を超える伸びは異常であると言える。 この荒波は、当分お
さまりそうにはなく、私の読書の偏向も当分は続くと考えねばなるまい。 ということ
は、面白い本というのは、どうしても環境関係に特化される傾向にあるということ。

しかし、環境関係の出版物はたしかに多いが、私が面白く感じた本は、圧倒的に経済と
か経営・政治に関係した本。 何と感激した本は圧倒的に経済と政治・経営に関係した
もの。
つまり、数では環境関係が多かったが、ベスト10に挙げられる本はわずかに22冊と、経
済・経営の28冊を下回った。 したがって、これは一時的な現象で、そのうち「環境ブ
ーム」も、去って行くと考えて間違いない。

環境の異常な増加の中で、ともに増えたのが「科学・教育・技術」が12冊から17冊に、
5冊も増加し、同じく「リクリェーション・旅行」が20冊から23冊に。
これに対して、「小説」および「住宅・建築」が21冊からそれぞれ20冊へとわずかなが
ら減少。
しかし、内容的に必ずしも減少したとは言えない。

【環境・農業・食品・医療】 37冊
◎オリーブの歴史        ファブリーツィア・ランツァ     原書房
・中国 ニセ食品のからくり            富坂 聰    角川学芸出版
◎超一流の雑談力                 安田 正       文響社
◎天気と海の関係についてわかっていること いないこと 和田章義他7人  べレ出版
◎ダイナミック・レイキュウ            待山栄一      現代書林
・そうだ、星を売ろう               永井孝尚      KADOKAWA
・写真集  森                  小林廉宣     世界文化社
・写真集  夜中は稚魚の世界           坂上治郎   エムビージェー
◎農業問題                    本間正義     ちくま新書
・経営者169人が選んだ世界一周究極の絶景50     高橋 歩      A-Works
・はつみみ 植物園                西畠清順      東京書籍
◎こうして、2016年「日本の時代」が始まった!   日下公人       WAC出版
・なぜこの店で買ってしまうのか      パゴ・アンダーヒル  ハヤカワ新書
◎フードバンクという挑戦             大原悦子      岩波文庫
◎水の歴史                  イアン・ミラー 原書

・京の遺伝子・職人Ⅱ                山本良介       淡交

◎秘境に学ぶ幸せのかたち             田淵俊彦       講談社
◎一日一食のススメ                石原結實     ビジネス社
◎わたしの畑の小さな世界             木村秋則    エキスプレス
・ディズニー 奇蹟の神秘が教えてくれたこと    鎌田 洋  SBクリエィティブ
◎病気をよせつけない足をつくる          湯浅景元       草思社
 
◎異常気象と温暖化がわかる           河宮未知生     技術評論社
・なぜ、あの家族が2人目を乗りこえたのか     桂木栄一他    プレジデン

・東京の里海 東京湾               木村 尚 中公新
書 
◎鳥獣害                     祖田 修      岩波新書
・地震 イツモ マニュアル       地震イツモプロジェクト    ポプラ社
・ごみとトイレの近代誌              山矧bM此      〆領・R.・
◎食の命、人の命                 赤峰勝人   マガジンランド
◎「一汁一菜」食養生活              若杉友子     主婦と生活
◎日常を探偵に変える           トリスタン・グーリー  紀伊国屋書店
◎ライオンはとてつもなく不味い          山形 豪     集英社新書
・はじめてのエネルギー環境教育     エネルギー学会編 エネルギーフォーラム
・世界のトイレ            ロンリ―・ プラネット     河出書房
◎果物の新常識                  田中敬一他    誠文・新光
◎地方創生の罠                  山田 順 イーストプレス新書
◎ルポ 看護の質                 小林美希      岩波新書
◎呑めば、都                マイク・ラモスキー   ちくま文庫

【経済・政治・経営】 34冊
◎現代史の中の安倍政権              渡邊 治    かもがわ出版
◎人びとの戦後経済秘史      東京新聞・中日新聞経済部編     岩波書店
◎検証 電力ビジネス               猪熊 均他   日刊工業新聞
◎困った隣人 韓国の急所           井沢元彦・呉善花   詳伝社新書
◎日本の論点 2015~2016             大前研一    プレジデント
◎新聞と日本人                  井沢元彦     詳伝社新書
◎日本経済 世界最強論!         ぐっちさん・山口正洋    東邦出版
 
◎世界経済のトレンドが変わった!         朝倉 慶       幻冬舎
◎移民大国 アメリカ               西山隆行     ちくま新書
◎ネット炎上の研究           田中辰雄・山口真一      茎草書房
・電力・ガス自由化の衝撃!    チェ・ジョンウン・本橋恵一     毎日新聞
・日本経済のポイントとしくみ           神樹兵輔    秀和システム
・世界史で学べ! 間違いだらけの民主主義     宇山卓栄     かんき出版
◎進化する戦国史                 渡邊大門       洋泉社
・ipad、スマホのツィッターで何が変わるのですか? 藤井伸輔・野村章  すばる舎
・「野党」論                   吉田 徹     ちくま新書
◎日本人が世界に誇れる33のこと  ルース・ジャーマン・白石      あさ出版
◎韓国の下流社会          シシリアリー・室谷克実       宝島社
◎(2011年) マグロ船仕事術            斎藤正明    ダイヤモンド
・安保論争                    細谷雄一     ちくま新書
◎「戦争」を語る                 立花 隆       文 春
◎商人 龍馬 (2007年) 津本 陽     日経新出版
◎稼ぐコンサルタントの起業術           富田英太    日本実業出版
◎皇居炎上                    中澤 昭     近代消防社
◎「政治のしくみ」がイチからわかる本       坂東太郎    日本実業出版
◎喰い尽くされるアフリカ         トム・パージェス       集英社
 
◎インドを知る事典           山下博司・岡光信子     東京堂出版
◎絶対目標達成するリーダーの仕事         須賀正則    ダイヤモンド
◎見抜く力 (元刑事が教えるウソと心理の)      森 透匡     明日香出版
◎lot革命            大前研一他   プレジデント
◎独仏「原発」二つの選択         篠田航一・宮川裕章     筑摩選書
◎密室の戦争                   片山厚志      岩波書店
◎東京23区の地名の由来              金子 勤       幻冬舎
◎「アウンサンスーチーの政権」のミャンマー    永井 浩他     明石書房

【ノン・フェクション・旅行】 17冊
◎自衛隊の闇        大島千佳・NNNドキュメント取材班    河出書房新

・それっ! 日本語で言えばいいのに!      カタカナ語研    秀和システ

◎日米ボディトーク       東山安子・ノローラ・フォード      三省堂
◎「おそ松さん」の企画              布川郁司       集英社
◎住宅ジャーナル 8月号  熊本地震特集              エルエルア

・85歳 おばあちゃんでも年商5億円         和田京子      WAVE出版
・ノバク・ジョコビッチ伝          クリス・パゥワース   実業之日本
◎なるほど! 育じい道              石蔵文信       講談社
◎写真家が見た「戦後史の決定的瞬間」       藤原 聰     ちくま新書
◎ニッポンのマツリズム              大石 始他     アルテス
・激動 東京五輪 1964年             大沢在昌他      講談社
◎お手伝い主義!                 三谷宏治    プレジデント
・たどりつく力              フジコ・へミング     幻冬舎新書
◎通訳日記 ジャックジャパン4年間の記録      矢野大輔      文春文庫
◎儲ける男と稼げない男の健康マネージメント    水野雅治     明日香出版
◎星野道夫  風の行方を追って          湯川 豊       新潮社
◎蔡英文が台湾を変える              黄 文雄       海竜社

【科学・技術・教育】 16冊
◎住んでみたい宇宙の話              竹内 薫    キノブックス
◎話だけで書ける究極の文章法          野口悠紀雄       講談社
◎アインシュタインの宿題             福江 純    知恵の森文庫
・ヨーロッパの思想を読み解く           古田博司     ちくま新書
・地底の科学                   後藤忠徳      べレ出版
・深海の不思議                 瀧澤美奈子    日本実業出版
◎会いたかった画家                安野光雄     山川出版社
・きのこのき (写真集)               新井文彦    文一総合出版
◎トコトンやさしい地球科学の本         地球科学研    日刊工業新聞
・情報ということば                小野厚夫  冨山房ナショナル
◎日本のことばで宇宙をひもとく         いよのいし    今日の話題社
◎ひらがなの誕生                 山口謡司      角川文庫
◎となりの生物多様性               宮下 直       工作舎
◎気候の暴走                   横山裕道       花伝社
◎プレゼン力              伊藤穣一・山中伸弥       講談社
・逆転のコミュニケーション法 NHK         山本麗子  じゃこめてい出版

【小説】 20冊
・神様からのひと言                荻原 浩     光文社文庫
・まぼろしのコロッケ              倉逆鬼一郎     光文社文庫
◎自由学校                    獅子文六     ちくま文庫
◎富士山噴火                   高島哲夫       集英社
◎女と味噌汁 (1979年)               平岩弓枝     集英社文庫
◎太鼓叩いて笛ふいて (2020年)          井上ひさし       新潮社
◎増山超能力師事務所               誉田哲也       文 春
◎この日のために 東京五輪・池田勇人伝 (上) (下) 幸田真音      角川書房
◎知の巨人・萩生徂徠伝              佐藤雅美      角川文庫
・小説・司法修習生                霧山 昴       花伝社
◎貸し込み (上) (下)               黒木 亮      角川文庫
◎不祥事                     池井戸潤     実業之日本
◎翔べ! ラペッツ                 深田祐介       文 春
◎窓際ドクター                  川渕圭一       幻冬社
◎ペレイドリア・フェイス 水鏡推理        松岡圭裕       講談社
◎ようこそ、わが家へ (2013年)           池井戸潤     小学館文庫
◎シュンスケ!                  門井慶喜      角川文庫
◎サッカーボーイズ 卒業           はらだみずき      角川文庫
◎今日から仲居になります             中居真麻       PHD研
◎七つの会議                   池井戸潤  日経新聞出版
        

【住宅・建築】 20冊
◎日本建築入門                 五十嵐太郎     ちくま新書
◎住宅巡礼 (2000年)                中村好文       新潮社
◎丹下健三                    豊川 斎
◎ひらかれる建築                 松村秀一     ちくま新書
・兵隊になった沢村栄治              山際康之     ちくま新書
・世界の美しい庭園図鑑 (写真集)          響庭伸也      学芸出版
・世界の魅惑のトンネル (写真集)        洋泉社編集部       洋泉社
◎荻窪家族プロジェクト物語        プロジェクト編著       萬書房
◎にっぽんのかわいいタイル 昭和レトロモザイク編 加藤郁美     図書刊行会
◎小さい家のつくり方               大塚泰子       草思社
◎強く、潔く                  吉田沙保里      KADOKAWA
◎ベルギーの石造住宅               吉村和敏       講談社
・地震火災保険と災害時のお金        さくら事務所他     自由国民社
・こだわりの家づくりアィデア図鑑       家づくりの会   エクスナレッジ
・家と土地のことならこの一冊 (第5版)     石原豊昭監修     自由国民社
◎なぜ新耐震住宅は倒れたか         日経ホームビルダー     日経BP
◎「建築」で日本を変える             伊東豊雄     集英社文庫
◎モデルルームをじっくり見る人ほど「欠陥マンション」を発見 稲葉なおと 小学館
◎突撃! ロンドンに家を買う           井形慶子     ちくま文庫
◎町の未来をこの手でつくる            猪谷千春       幻冬社
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2016年12月24日

信じられないことだけど、32歳の著者がトヨタホームの営業のMVPに!

菊原智明著 「残業なしで トップ営業の鉄則」 (明日香出版 1500円+税)

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今週の記事は何で行こうか‥‥と悩んでいた。 ソーシャルイノベーション研の 「震災復興にかけるダイムラーの行動力」 も素晴らしかったし、村野井均の 「子どもはテレビをどう見るか」 も大変面白く、是非とも紹介したいと考えたが、いづれも簡単には紹介出来にくい厄介な代物。 どうしょうかと悩んでいる時、上記の著書にぶっかった。
いわゆる営業マン向けのお馴染みの本。
ありふれた営業マンモノだと、私も飽きていた。 著者は1972年生まれと44歳と若い。 そして 群大の工学部を1995年に 卒業すると、そのままトヨタホームの営業マンとして 採用されたが、7年間は鳴かず飛ばずの業績。 このままだとクビになることは間違いないと、本人も自覚。
ところが、2002年に「営業レター」を開発してトップセールスマンの仲間入り。 2004年には 600人もいる営業マンの中で、No.1のMVPに選ばれたというからすごい。
「まえがき」 を読んで、この著者に惚れた。 これほど 書き易い素材にぶつかるとは、考えてもいなかった。

しかし、内容を読んでゆくうちに、次第に疑問点が出てきた。
というのは、著者がトヨタホームで大成功を挙げたのは12~14年前。 そして12年前に同社を辞めて、営業をサポートするコンサルティングの会社を設立し、その社長に納まっている。
そして、書かれている本を見ると、「トップ営業マンが使っている買わせる営業心理術」 とか 「稼げる営業マンとダメ営業マンの習慣」 とか 「営業の一流、二流、三流」 など。
どこにでも見かけるありふれた言動で、どの著でも、「残業なしで成果を上げるには‥‥」 ということを問うてはいない。
つまり、12年間の営業コンサルタント業を通じて、同氏がやってきたことは 営業マンにハッパをかける仕事だけ。 それだけでは商売にならないことに気付いて、この著書ではじめて「残業なしで‥‥」 ということを、言いだしたらしい。 これはどこまでも、私の推測にすぎない。

私が本著で感心したのは、1日を3つの時間帯に分けると言うパフォーマンス。 1つ目のサイクルは朝の4時から午前中。 この時間帯に企画の提案書とか文章を書くと言う仕事を当てると 大変に効率が良いと書いている。 この言葉に私は降参した。 たしかに、午前中に企画書とか 文章を作成すると効率がよい。 著者が言うように30分でプレゼン用資料をつくるという習慣を身に付けることの重要性は、十分に理解出来る。
だが 住宅用の営業で、最もポィントになってくるのは顧客の求める間取りや外観が、顧客の希望通りに出来るかどうかということ。 つまり、顧客から如何に本音を引出せるかどうかがポイントになってくる。 それには、単なる営業マンであってはならない。 プラン力を持った 技術者であることが必須条件に。
私が、多くの顧客から期待されていたのは、外でもなくこのプラン力。
顧客が考えていたもの以上のプランが得られたときに、初めて喜んで 自動的にサインをしてくれる。 そのためには、顧客が 「何」 を求めているかを知ることが どうしても必要に‥‥。 どんなに優れた技術者であっても、顧客の求めているモノが見えないと、満足されるプランも 予算も出来ない。
この肝心のことが、この著書では一切触れていない。 それが、最後までこの著書を信頼出来ない最大の弱点。

それと もう1つの大欠点は、この著では無理に 「成果を挙げるための100の鉄則」 をつくったがために、焦点が完全にボケていること。 つまり、「営業レターを どう書けばよいのか」 と言う肝心のポイントが、いくら読んでも理解出来ない。 私が特別に頭が悪いわけでもなさそう。
著者は、「20代の私は、深夜まで残業しただけでなく、土日も出勤していた。 プライベートな時間などは全くなかった。 その私が、営業レターを書き始めたら 途端に成績が上がり、1年後には《定時で帰れるトップ営業マン》に変わっていた」 と言うのだ。
つまり、営業時間を短縮したのだ。 そのためには、①時間帯を変える、②ツールを利用する、③
考え方を変える‥‥という営業マン特有の時間短縮術を身につけている。
これを身につけたから、入社8年目にして契約件数が4倍に跳ね上がった。
私の人格が変わった訳でも、突然開花したわけでもない。 仕事のやり方を変えただけに過ぎないと、筆者は断言。

私が読んで受けた印象では、筆者が4倍もの契約を挙げた理由は、《考えを変える》 の1言に集約されるように思えた。 その指摘は、大変有難いものだった。
まず、筆者は1週間後からとりかかるのではなく、「明日の8時20分からスタート」 することを心がけている。 そして午前中の時間を、有効に使った。
この、午前中を有効に使うと言う発想には100%賛成。 私も現役の時は、朝の6時から仕事を始めた。 しかし、企画とか構想とかという会社の基本的な発想は、朝の方がさっぱりしていて良いプランが生まれる。 だが、肝心の個々の面白いプランは、午後から夜にかけての顧客との雑談のなかで、突然に生れてくることが多かった。
その案を図面化するのは、翌日の午前中の仕事になった。
つまり筆者の話には、プランの話が皆無。 実際住宅営業をやって見ると、このプラン力がモノを言って、多くの時間が拘束される。
私には 筆者の言うことが、次第にウソのように感じられるようになってきたのは、プラン力の話しがまったく出てこないから‥‥。 私の経験主義が間違っているのかも知れない。 だが、プラン力が1つも出てこない住宅営業の話には、眉ツバ物であると言う気がしてならない。


posted by uno2016 at 13:19| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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