2016年04月20日

2016年熊本地震から、学べる点は非常に多いと考えるのだが‥‥



毎朝、テレビを見たり、新聞を読む度に心が疼いてくる‥‥。
震度7の直下型地震の折は、阪神・淡路大震災でも、中越地震でも 現地に入って、その凄さを体験してきた。
ともかく、地震学界のお偉さん方は、マグネチュードにやたらに拘わっているように見える。
つまり、マグネチュードが大きくさえあればあるほど喜んでいるのではないかと、ゲスの勘繰りをしてしまう‥‥。 
つまり、先の東日本大震災のように、マグネチュードか9.0と大きいと大先生方は 喜々として語り出すような気がしてならない。
「俺は大物だから、マグネチュードが8.0以下の小さい地震には、関係ない」 と断定しているかのように‥‥。

私が常日頃気にしているのは、震度。
震度が6強なのか、7なのかによって、眺める風景は全く違ってくる。
つまり、消費者が受ける被害と損傷の大きさが違ってくる。
震度7だと家だけではなく、橋や道路、鉄道関係にも大きな被害が出てくる。
たしかに、中越地震では震度4を超す余震が数回もあったのは事実。 だが、今回の2016年の熊本地震場は、余震の度が過ぎている。 このため、何よりも心配になるのは、高気密・高断熱住宅からの、気密性能の損失。 
如何に倒壊を免れ、見た目上は無傷で残っても、気密性能が失われた住宅は、かつてのように外部の騒音をシャットアウトしてくれず、隙間風が侵入するようでは価値が大幅に下落する。
その肝心のことが、現在の建築基準法だけでなく、あらゆる法体系からスッポリと抜けている。
このことが、大変に気がかり‥‥。

今回は、14日の21時26分にマグネチュード6.5で、熊本の益城町で震度7の地震が発生した。
地震には余震が付き物。 
その余震は震度6強とか4以上が続き、そして3日目の16日の夜中にマグネチュード7.3で、震度6強の地震が発生。
そしてこの地震は、布田川及び日奈久断層帯が引き起こしたもので、14日のマグネチュード6.5はどこまでも前震にすぎず、16日のマグネチュード7.3こそ本震であると訂正された。 
マグネチュード7.3は、阪神・淡路大震災と同じ規模ということになり、熊本地震は格上げされたかのように感じられたから不思議。
しかし、気象庁の発表は、そこまで。

それにしても、今回の地震は、余震が余りにも多すぎる。
テレビを見ているとしょっちゅう地震速報がが出てくる。
ともかく、最初の地震発生から昨日の夜で、丸5日経過しているのに、震度4以上の余震が90回近くもあったという。 これは今まで前例がなく、異常な現象。
その分、熊本市民に犠牲が波及している。
余震が長引く状態だから、安心して各家の片付けが出来ない。 電気・ガス・水道などのインフラの整備も、大幅に遅れざるを得ない。
また、大きな余震があるために、自宅に戻ることは出来ない。 そこへ、今まで使っていた市役所や学校などの鉄筋コンクリートにヒビが入って使えなくなり、避難場所も限られてくる。
やむを得ず、狭い自家用車の中で朝を迎えることになる。 この苦しみと辛さを考えると、人事とは思えず、胸がうづく。

しかし、日本の建築基準法では、震度6以上の場合は まれにしか起らない現象であって、倒壊さえしなければ‥‥つまりケガをしてもよい。 人命さえ守ることができれば、業者に責任がなく、消費者は 「泣き寝入り」 しなければならない。 
好きとか嫌いではなく、建築基準法はそういった法体系でしかない。
「震度6強で、倒壊しなければよい」 という住宅作りは、そんなに難しいことではない。
木造で、今まで通し柱と梁にこだわった在来の軸組工法だと、なかなか難しい。 しかし、剛なる床を作る 「プラットフォー工法」 だと、そんなに難しいことではない。
206材と外壁構造用合板に断熱材を充填させ、12.5ミリの石膏ボードで、やたらに開口部さえ大きくしなければ、絶対に潰れない外壁が出来る。 
内壁は204でよく、両面に12.5ミリの石膏ボードを張り、キチンとしたドライウォール仕上げをすれば、柱を細かく入れるよりはよほど丈夫。
しかし、その変わりに2階床材としては210~212材を用い、本サネ加工した15~20ミリの合板を接着剤併用で千鳥張りして剛な1枚床に仕上げる。 そして、すべての荷重を全ての壁で支持するようにする。 これがプラットフォームの強さの秘密。
この剛な床づくりを大前提にするなら、206材での外壁づくりも、204材による内壁づくりは必ずしも1枚壁でなくてよく、606の通し柱を2.5~3.5間毎に入れる木軸金物工法で十二分に対応できる。 この工法は、北海道では確認申請を担当する役人が認めているもの。 それを15年前から強調しているのだが、木構造を正しく理解できる構造屋さんが不在で、情けないことに北海道以外では本格的に採用されていない。

今から40年前には、熊本にぎんせんハウスの黒川氏というツーバイフォーによるタウンハウス作りの名人がいた。 私の知っている範囲で、県下に400戸以上の共有地が大きいタウンハウスを建設している。
また、超低価格でツーバイフォーの住宅を請負う宏和建設という優れた会社も存在していた。
その後、私の方が別会社に移動し、両社との連絡が途絶えたがゆえに、両社の動行は残念ながら分からなくなってきている。 
しかし、両社ともに熊本で大きな実績を上げていたので、かなりの実績が残っているはず。 それらのツーバイフォー住宅が、今回の熊本地震によってどのような影響を受けているかを知りたい。 テレビや新聞に写っている倒壊住宅は、いずれも古い木軸工法ばかり。
ガッチリとしたツーバイフォー工法が如何にして次世代へ伝えられているか。 また 被害があったとしたら、それはどの程度であったかを是非とも知りたい。 それよりも何よりも、以前と比べて気密性能が、どの程度落ち込んだかを知りたい。
しかし、両社の電話番号さえ分からず、その後の動きを知らない私は、熊本のツーバイフォーを語る資格はない。

それにしても、こうまで余震が長く続くと、前震にはビクともしなかった橋梁や道路の本震での被害は、想像以上に大きいと、日経の本社からの派遣記者が実感を伝えている。
同じことが住宅の場合も言えるのかもしれない。 つまり、構造用合板を支えているクギが次第に緩んできて、性能が落ちるという懸念が‥‥。 
ともかく、震度7を経験した阪神・淡路や中越地震では、ツーバイフォー工法による被害は、ほぼゼロと言って良かった。
それが、余震が続く熊本ではどうなるのか?
中越地震で、20数戸の全戸が倒壊していた烈震地の川口町・武道窪。
そこで、唯一倒壊を免れていたスーパーウォール。 当然、主婦の口から感謝の言葉が発されると期待していたが、発されたのは意外にも気密性損失に対する心配事。
「今までは気密性が高く、とても静かな住宅でした。 それが震災後は、前の山道を走る自動車の音が気になって、安眠が出来なくなりました。 この気密性の損失は、政府が保証してくれるのでしょうか‥‥」
余りにも、単刀直入な質問に、私は答える術を失っていた。

今度の熊本地震で、このような質問が山積しているのではなかろうか?
つまり、倒壊を免れただけで満足しない消費者が生まれてきている。 こうした消費者に、正しく答えてあげられる法体系の整備と、意識の切替えこそを、今多くの消費者から求められているのではなかろうか?
本来なら、私は自分の車を運転してでも熊本に入り、実体をリポートしたい。
だが、知人がいない熊本は、あまりにも遠い存在になったし、見たい現場を探し出すことは不可能に近いだろう。 
ということで、不完全燃焼のまま、2016年熊本地震を見過すしかないのかも?

本当に口惜しい。 九州在住の方で、どなたか実体をリポートしていただけないだろうか‥‥。




posted by uno2016 at 07:37| Comment(8) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
私の父も生前、大阪に本社を置く、永大産業のEDハウス、
ツーバイフォー住宅に全精力を費やした人でした。
ギンセンさんも一時期同じグループで全国に施工業者は、沢山あったと記憶してます。まさか熊本でこんな大きな地震があろうとは思いもしませんでした。40年以上今の永大産業
が破たんする前から、ずーと離れず応援してました。
前置きが長くてすいません。
今日もお客様からお礼の言葉がありました。周りが非難する中、家の中でずっと過ごしましたと家に守られたと言われました。
実際わたしも現在自社で建てたツーバイフォー工法のアパートに住んでいますが、地域性もあるかもしれませんが
2階の住人の方からも皿一つ割れなかったそうです。
ほんと父が自信をもってお客様に推薦しただけあります。
感謝です。
Posted by なかま at 2016年04月30日 22:07
はじめまして。
福岡の建築士の鹿瀬島と申します。

一昨日に益城町の被災地の状況を確認しまして、非常に疑問と違和感を感じましたところ、こちらのブログを拝見いたしました。

お書きになられている被災地の2×4についてです。もし、情報交換が出来ましたら、よろしくお願い致します。
失礼致します。
Posted by 鹿瀬島隆之 at 2016年05月05日 08:54
はじめまして。
今回、熊本市中央区で地震の被害にあったものです。
興味深く記事を拝見させていただきました。
我が家は築30年ほどのツーバイフォー住宅で、今のところ見た目では何も変化がありません。実際、震度6強の本震でも恐ろしい揺れでさすがに家が壊れるかと思いましたが、茶碗が飛び出し割れた程度の被害で済みました。

ただ、その後、ドアの開け閉めの音等が大きくなったように感じておりました。
この記事を拝見して気のせいでは無かったんだなぁーと思っております。

少し落ち着いたらきちんと耐震診断を受けようかと思っております。こちらでの情報交換等も今後も期待しております。
よろしくお願いいたします。
Posted by くまこ at 2016年05月10日 09:15
我が家は熊本市東区です。
震源地の益城に比較的近く、被害の多かった地域です。
30年前のツーバイフォーですが、住宅メーカーは倒産したと聞いてます。(中古を購入したため、建設当日の事は詳細には分かりません。)

今回の熊本地震で、壁はかなりヒビが入り、ベランダの窓は閉まりません。
リフォーム会社から、壁を割って木材が割れていないか調べる必要があると言われました。
ツーバイフォーがダメージを受けた場合、どれくらいの補強で安全に暮らせるのでしょうか?
Posted by とも at 2016年05月14日 21:09
熊本市北区のものです。
会社の同僚に聞いたら、銀杏ハウスさんは、オープンのツーバイフォーだったらしく、永大産業のEDハウスとは、
独自のツーバイフォーで強度が違うということでした。

永大産業のEDハウスは、構造計算と耐力壁など検査機構を
独自でしてましたので、県内での施工業者は今はいません。数年前に全国解散してしまったのが、今となっては非常に残念です。
Posted by なかま at 2016年05月16日 21:13
ブログ
http://norinetbusiness.seesaa.net/

メルマガ
http://www.mailbank.biz/mag.php?mid=3673

よろしくお願いします
Posted by ・・・ at 2016年05月27日 10:03
Posted by wezy at 2016年06月02日 10:13
はじめまして。
両親の家が熊本地震で傾いてしまいました。完全に潰れてはいないのですが、今にも、という感じです。全壊で罹災証明をもらっています。ツーバイフォーで建てた家でした。
娘の私は神奈川に住んでいるのですが、今日熊本に来て家を見ました。周りに何軒か家があるのですが、両親の家だけが傾いていました。私は素人ですが、周りは大丈夫なのに両親の家だけが傾いているのはおかしいと思いました。それでネットで調べていここに来ました。ここに来る前に、壁と土台が留まってないといけない、ホールダウン金物で柱が固定されていないといけないなどがかかれた記事も読みましたが、その両方ともされていませんでした。こんなツーバイフォーもあるんでしょうか。
Posted by 須山真由美 at 2016年06月20日 21:49
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