2016年10月15日

4氏の読者から、貴重な意見をいただきました!



4人の読者の方から、貴重な意見をいただきました。
1番最初のご意見は、一条工務店の最新の石膏ボード張工事に対する施工に関して、私の考えを質すというもの‥‥。
ご案内のとおり、一条工務店は i-cuve とか i-smart に関しては、その性能面の すばらしさといい、また全面的に採用したということもあって、最初の頃はただただ一条工務店の動行に渇目していた。 もちろん、感動を覚えながら‥‥。
その施工実体がどうなっているかも知らずに、同社のモデルハウスを見ただけで、一条工務店をベタ褒めしていた。
ところが、5年ほど前に初めて、同社の i-cuve とか i-smart の現場を拝見。 
その現場で、アメリカでは絶対にやってはいけないということを一条工務店がやっていたので、「一条工務店の石膏ボード張り工事は、在来木軸を中心とした自己流であって、おかしい」 という内容の抗議を行なった。

一条工務店の行為の中で、私が疑問と感じた点は、①一条工務店の施工マニュアルを読むと、壁石膏ボードが先張りするのが正しいように書かれているが、アメリカやヨーロッパでは防火の観点から、天井石膏ボードを先に張るように指導している。 一条工務店のマニュアルは 間違っているのではなかろうか?
②一条工務店の現場を見ると、開口部周辺に45センチとか90センチの 端材を使っている。 これは先の震度6弱から7までの中越地震において、軒並みに剥がれてクレームの対象になっていたもの。 一条工務店ともあろうものが、こうした実態を知らずに、積極的に 端材の活用を指導しているのはおかしい。
③北米やヨーロッパでは原則として4×8尺の構造用合板、石膏ボードを横張りしており、開口部周辺の 構造用合板や石膏ボードは、原則としてコ型にカットして、開口部周辺のヒビ割れを 予防している。 つまり、開口部は構造用合板や石膏ボードくり抜くように指導している。 この原則を日本でも守ってほしい‥‥というものだった。

私は、単にツーバイフォー工法だけに警告を発したつもりはない。 在来木軸工法でも石膏ボードを防火面材として使うことが一般化してきていた。 しかし、在来木軸の現場では こうしたアメリカやヨーロッパでの約束事を忘れ、3×8尺版の普及とともに、日本の現場だけが防火性と耐震性能の悪いシステムが横行している。
こうした在来木軸工法のいいかげんさを含めて忠告を発したつもり。 したがって私の警告は、在来木軸工法を含めたすべての石膏ボード工事を対象にしていた。
しかし在来木軸工法の実態は、旧来の間違いを踏襲しているモノが今でも主流であって、それほど意識的に改善が加えられた形跡を読み取るのは難しい。
だが、消費者からのその後の写真を見る限りにおいては、おおむね賛同出来るように改良されてきているので、安心はしているが‥‥。

ただし、幅40センチの小型のサッシについては、40センチ幅のサッシの採用を一切やめるように指示している会社が アメリカにはある。 ということは、幅は70センチ以下のサッシを使わないように設計陣と消費者に指示している会社があるということ。 また くり抜く場合でも、外壁の構造用合板部分だけはくり抜いて、内部の石膏ボードはそのまま施工している現場も見られた。 そのいずれかを採用すべきなのに、その指示が末端まで伝わっていない現場が日本で見られたことは、まことに残念。
また、廊下などの壁は3×8尺モノ1枚で施工出来るため、一部の入隅部分を除いて、そんなに問題にすべき点は見当たらなかった。
ともかく、大幅に改良されていたことは、良しとすべきだろう。
ただし、私が現場に出向いている時は、即断で処理出来る。 しかし、後での処理となると2重の手間が施工業者にかかることになる。 その損得を考えると、なかなか写真を見て 後で処理させることの是非については、考えさせられるものがある。
これに対して、三井ホームやトステムなど大手の改良がどこまで進んでいるのか?

これに対しては、投書の内容から推測して、かなりの改良が見られたのは事実。
しかし、消費者からの投書では、①床合板が千鳥張りではなかった。 ②吹抜空間には、本来は206の通柱を使うべきなのに使っていなかった‥‥などの欠陥が指摘されていた。 つまり、大手の社員よりは消費者の方が遥かに勉強しており、大手の社員がオタオタと戸惑っている様子が推測出来たのは大変に印象的。
何度も強調するが、私の石膏ボード張りの改善案は、単にツーバイフォー工法の改善だけを目的としたものではない。 むしろ、数としては在来木軸の方が多い。
私の仲間には在来木軸工法の改善に傾注している者も少なくはない。
在来木軸の改善なくして、日本の木造住宅の改善はあり得ない。
しかし、杉山英男先生が亡くなられてからは、日本の伝統工法であった木軸の平行弦トラス工法をまともに取上げる学者はいなくなった。 ほとんどの識者は、明治時代以降に普及したスジカイ工法をもって、それが日本古来の伝統工法であるかのように捉えている。
このスジカイ工法と言うのは 明治以降に木材が簡単に入手出来ない時に、臨時の工法として採用されたもの。 したがって、明治以前にはほとんど日本で見かけることはない。

この説明は、杉山先生からジカに教わった。
私は、杉山先生と共に、「欧米の中心になっているツーバイフォー工法の、日本における普及の重要性は理解していた」 つもり。 このため、杉山先生に 「在来木軸工法において、ツーバイフォーを如何にして普及させるか」 について、再三再四先生の意見をうかがった。
その質問に業を煮やしたのか、先生から「君は、明治以前のスジカイ工法以外で、これぞ日本の伝統工法だと言うべき工法があったことを知っているか?」 と、逆質問を受けてしまった。
その正解は、平行弦トラス工法。
たしかに、明治時代になって簡単なスジカイ工法が普及し、それまで日本の在来木軸工法を支えていた平行弦トラス方式が姿を消したのは事実。 しかし、私は杉山先生のように学問的に日本の伝統的在来木軸工法を捉えていたわけではない。 ただ なんとなく在来木軸工法にも、先生が意図する工法が普及して良いのではないかと考えたまで‥‥。

しかし、その後このスジカイ工法が、在来木軸の最大の欠点と言われるほどになってきた。
原因は、中越地震や熊本地震における在来木軸工法のスジカイ工法の脆さ。
私などは、アメリカの西海岸において106材によるスジカイ工法が普及しているのを見て、慌てて日本のツーバイフォー工法の中に106材によるスジカイ工法を実験により付け加えたりした。
私が怖れていたのは、構造用合板の必要性が高まって、構造用合板の価格が高価になるのではないかとの懸念。 それほど、私は合板業界を信用していなかった。 106材のスジカイを 付加えた目的は唯一つ、合板のベラボウな高値を抑えるため。
しかし幸か不幸かは知らないが、106材の入手が日本では困難だったがために、106材のスジカイ工法は、日本では 普及を見せることはなかった。 ツーバイフォー工法の耐震性は、ほとんどが面材で処理されていった。
そして、スジカイで問題になったのは、在来木軸工法の柱の半分という太いスジカイ。

中越地震が起きた時、豪雪地域の川口町を中心にツーバイフォー工法による建築実績は、ごく限られていた。 これに引換えて、数多く建てられていたのがトステムのスーパーウォール。 そこで震度6弱とか6強を経験した新潟県魚沼町に飛び、知りあいのスーパーウォールの工務店をの現場を訪れて取材した。 
しかし、震度7を記録した主要な被害地は川口町と分かり、トステムの紹介で 同町で建築実績を上げている渡部建築を紹介してもらって、震度7という激震地での取材を続行。
このスーパーウォールは、外壁に構造用合板を使用していたので、震度7の激震地では かなりイカレたものもあったが、倒壊はしていなかった。
それどころか、渡部建設は柱2つ割のスジカイを内部の壁に多用していた。 なにしろ 積雪2~3メートルの多雪地。 柱の太さは最低で4寸の12センチ。 太いのは5寸の15センチ。 この2つ割だから最低で6~7.5センチはある。 よく東京周辺で見かける3センチ厚のスジカイではない。
その太いスジカイに、圧縮力が加わるのだから たまったのもではない。 内部の石膏ボードはすべて飛ばされて 姿かたちがないという有様。 私は、初めて6~7.5センチもあるスジカイのすごさに、圧倒された。 口で柱1/2のスジカイというのは簡単だが、実際にはとんでもない力を持っていることを見せられ、空いた口が塞がらなくなった。
ともかく、多雪地で柱の1/2のスジカイは、やたらに多用してはならないことを知った。

こうした経験を、すでに私は積んでいた。 そして、ツーバイフォー工法は 地震に対してやたらに強いが、在来木軸は地震に対して大変弱いことを立証したのが、中越地震であり今度の熊本地震だったと思う。 つまり、在来木軸工法はQ値よりもS値がやたらに低かった。
しかし、私は必ずしもツーバイフォー工法一方的なファンではない。 在来木軸工法でも 細心の注意を払って施工すれば、十分に震度7の烈震にも対応したS値が確保出来る。
しかし、震度7という烈震に耐え、しかも気密性を維持するということは容易なことではない。
その見極めが出来る地元の手慣れた施工業者を選ぶのは 容易なことではない。 このことを安易に考えている消費者が多すぎるように感じるのだが?

すでに自分の趣向から、在来木軸工法の工務店を選んでしまった消費者から質問を頂いた。
この地元の手慣れた工務店のS値に疑問があるので、質問を投げかけているのだが、未だにはっきりした返事が得られていない。
この施主は、オーディオルームに拘っている。 やたらにオーディオルームこだわる施主は意外と多い。 私も かなりのオーディオ・マニヤに取りつかれた経験がある。 しかし、気密性に配慮すれば、それほど難しいことではない。 その施主が最近になって、それほどオーディオにはこだわっていないと言いだしてきたので、どこまで信用して良いかで困っている。
要は、どれだけ至近距離で施主の考えを聞くことが出来るかどうかがポイントだと思う。
しかし、先に地元の施工業者を選択された場合には、その地元の気密事情に精通している業者の能力を、最大限に活かすのが一番だと思う。
どんな相談にも応じられないことを知った上で、対応していただきたいと願う。 




posted by uno2016 at 09:15| Comment(0) | 技術・商品情報 | 更新情報をチェックする
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